中性脂肪って?

体内では皮下、腹腔、内臓や血液中に存在

中性脂肪と聞いて、どんなものをイメージしますか。日常的に食事でとっている抽やバター、肉類の脂身などは、実はみんな中性脂肪です。では、体内ではどうでしょうか。いちばんわかりやすいのがお腹やお尻の皮下の組織についた中性脂肪、いわゆる皮下脂肪と呼ばれるものです。また、腹腔や肝臓に蓄えられたり、姿を変えて血液中を流れ、全身を循環しているものもあります。腹腔や肝臓に蓄えられた脂肪を内臓脂肪と呼んでいます。

主な働きはエネルギー源

中性脂肪の最大の役目は活動する際のエネルギー源として使われ、しかもその貯蔵庫にもなることです。エネルギー源となる中性脂肪や糖質を食事からとっていますが、食べた中性脂肪や過剰に摂取した糖質は肝臓で中性脂肪に合成されます。食物に含まれる中牲脂肪はそのままでは吸収されないので、いったん分解され、最終的に肝臓で再合成されます。そして血液中に取り込まれ、全身に運ばれて主に心臓や血管系の筋肉のエネルギーとして使われます。
エネルギーとして使われず、余ってしまったときは、皮下や腹腔内の脂肪細胞に蓄えられます。食物の補給が途絶えた場合は、蓄えておいた中性脂肪を再び切り出すことにより、生命を維持するために必要なエネルギーを賄うというしくみになっています。これは、人類の歴史が食事がコンスタントにとれない、飢餓状態が圧倒的に長かったために備わった防衛機能といわれています。

外からの刺激を軽減し、内臓を守る

脂肪は熟を通しにくいので、皮下脂肪は寒さや暑さから身を守り、体温を一定に保つ役割も果します。お腹のまわりや腹腔内の脂肪は、胃や腸などの内臓がつぶれないために必要なものです。女性に特有の丸みのある体のラインも、皮下脂肪が一役買っています。
このように中性脂肪にはいろいろな働きがあり、生きていくためになくてはならないものです。しかし、血液中の中性脂肪が必要以上に多くなったり、過剰に皮下脂肪や腹腔に脂肪をため込むと、健康に黄信号がともります。

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