女性特有のうつの症状

一般に、男性よりも女性のほうがうつ病になりやすいといわれます。出産や更年期にうつ病がみられることから、女性ホルモンが関係していると考えられています。

女性ホルモンの影響がうつ病を招く

なぜ女性のほうがうつ病になりやすいのかということについては、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、その要因のひとつと考えられているものに、エストロゲン(女性ホルモン)との関係があります。

たとえば出産をすると急激にホルモンのバランスがくずれたり、閉経によって更年期障害などが起こったりします。こうした時期に女性がうつ病になりやすいところから、ホルモンが影響しているのではないかと推測されています。

また更年期のころは、女性をとり巻く環境や生活の変化が起こりやすい時期でもあります。子どもが成長して家から独立していくなど、母親としての役割を終えるようなこともあります。

また夫は働き盛りということで、家のことには無頓着になり、孤独感やむなしさを感じるようになりがちです。こうした生活の変化が心に微妙な影響を与え、うつ状態になつたり、うつ病に結びつくことがあるわけです。

このほか、女性がうつ病になりやすい時期としては、男性と同様に、老年期もあげられています。
年代別うつの症状(老年期)

産後うつ病(お産の後にうつ病になってしまう)

産をしたあと、数週間たってうつ病さんじょくきになる人がいます。これを産後うつ病といいます。このうつ病は出産後1~2週間から数ヶ月の問に発症することが多いといわれます。症状としては次のようなものがあります。

  • 抑うつ気分
  • 不眠
  • 不安
  • いらいら
  • 意欲の低下
  • 思考力や集中力の低下
  • 自責の念をいただく
  • 死を考える

これらは、典型的をつつ病の症状とほとんど変わりません。加えて、今後の子育てを思い、「赤ちゃんを育てていく自信がない」などということもあります。

つまり、子育てに関する不安が非常に強くなるのです。また、自分を責める傾向も強くなります。これとは逆に、自分の子どもに無関心になるケースも、ときにはみられます。お産は女性にとっては大仕事ですので、体に大きな負担がかかることはいうまでもありませんが、精神的にも今後の子育てをはじめ、さまざまな不安を感じるのはしかたがないことです。しかし、産後うつ病では、ことさらにお産が重かったとか、出産にまつわる夫婦や家庭の問題があったとか、精神的にショックを受けたというような、特別なストレスがきっかけとなるわけではありません。

なぜこのようをつつ病が起こるのかについては、はっきりとわかっていませんが、前述のように出産してホルモンのバランスがくずれることで起こるのではないかと考えられています。

妊娠中は胎児を育てるための女性ホルモンが分泌され、出産後はそれが少なくなるなど、ホルモンのバランスが急激に変化することが影響しているのではないかというのです。

このほかにみられる症状としては、幻覚や妄想が起こつたり、精神錯乱状態になることもあります。この産樽期うつ病とよく似た症状を示すものに「マタニティブルー」といわれるタイプがあります。症状としては、軽いうつ状態になるほかに、涙もろくなる、逆に気分が高揚したり、落ち着きがなくなる、不安が強くなるなどがあります。
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マタニティブルーの場合は、症状はだいたい一過性のもので、出産後2~10日で症状が出て、数日から2週間くらいで自然と消えていきます。ただ、これらの症状がうつ病の前兆であることもあるので、きちんと見きわめる必要があります。産裾期うつ病で最も注意しなければいけないことは、やはり自殺です。今後の子育てに不安を感じてか、赤ちゃんを道連れにしてしまう例もありますので、十分に気をつけなければなりません。

更年期にうつ病になる人もいる

中年女性のうつ病の症状は、基本的には中年男性の場合とほぼ同様で、典型的な症状を示すのが特徴です。50歳前後となると、更年期という女性としての大きな節目を迎えることになります。閉経という事実が老化を考えざるをえなくさせ、心にも微妙な影響を与えます。

また更年期になると、いわゆる更年期障害といわれるいろいろな症状が出てきます。体の不調を訴える不定愁訴も起こりやすくなります。
さまざまな自覚症状を訴えることを愁訴といいますが、不定愁訴というのは、その訴えが不定で、検査をしても異常が見つからない状態のことをいいます。

訴えとしては、寒け、冷え、のぼせ、動悸、頭痛、めまい、しびれ、吐きけ、下痢、便秘、腰痛などが多いようです。

これらの中でも、一時的に体が熱くなるホットフラッシュなどはよく知られています。また、こうした体の症状ばかりではなく、心にも影響を与え、うつ状態を伴うこともあります。更年期障害も、ホルモンのバランスがくずれることによって起こるといわれますが、厳密にはまだどの程度ホルモンが影響しているのか、よくわかっていません。

この時期で注意しなければいけないのは、うつ病になる人がふえてくるという点です。しかも困ったことに、こうした更年期障害による不定愁訴と、「仮面うつ病」による不定愁訴と見分けをつけるのがたいへんむずかしいということです。

うつ病の症状は、体にもあらわれますが、その症状と更年期障害の不定愁訴の症状とをくらべてみると、両者がたいへんよく似ているのです。
このため、更年期障害のせいだと思ってしまい、うつ病であることに気づかず、発見が遅れてしまうことがよくあります。
更年期についてはこちら
体の症状のほうが目立つうつ病のことを「仮面うつ病」といいます。「仮面うつ病」というのは、体の不調ばかりに目がいって、気分の落ち込みなど精神面の症状がその陰になって見えにくいうつ病のことです。

別な言い方をすると、身体症状がメインとなるうつ病ということになります。このうつ病は、軽度のうつ病に多いといわれます。

「仮面うつ病」の人は、精神的な症状の自覚が少ないのですが、よくよく聞いてみると、意欲がわかない、何をするのもおっくうといった精神面の症状を伴っているのがわかります。以下に仮面うつ病の症状をあげてみます。

  • 不眠
  • だるい
  • 疲れる
  • 食欲不振
  • 胃腸が不調
  • 便秘または下痢
  • 頭痛
  • 動悸

仮面うつ病になるのは女性に限ったことではなく、男性にもみられるものですが、更年期障害の症状のために精神面の不調が見すごされることが多いことから、女性には注意を要するうつ病です。

なお、「仮面うつ病」という名前は、正式な診断名ではなく、このタイプのうつ病をわかりやすく説明するのに具合がよいということから使われるようになったものです。

季節性感情障害(季節によって、うつ状態になることも)

比較的若い女性に多くみられるうつ病に「季節性感情障害」(季節性うつ病)と呼ばれるものがあります。季節によって症状があらわれるというもので、特に多いのが秋から冬にかけてうつ状態となり、春から夏にかけて自然とよくなるタイプで、「冬期うつ病」といわれます。

なぜこうしたことが起こるのかということついてはまだわかっていませんが、日照時間との関係があるのではないかと考えられています。

わが国では大都会に生活する人に多くみられるようです。通常のうつ病であれば、不眠や食欲不振といった症状がみられますが、このうつ病では逆で、気分が沈み込み、意欲もなくなる症状に加え、過眠や過食が多くなるのが特徴です

口が乾きやすい人は糖尿病と関連する歯周病菌が増加。耳の下をもむと口の中の悪玉菌が減り、高血糖も改善する

糖尿病で高血糖の状態が長く続くと、全身にさまざまな合併症が起こります。よく知られているのは、3大合併症といわれる糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症ですが、口の中の病気である歯周病も合併症の1つです。

糖尿病の人は歯周病を発症しやすいのです。逆に糖尿病の人が歯周病を治療すると、血糖やヘモグロビンA1Cの数値が改善することがわかってきました。歯周病の改善というと、歯磨きが大事だといわれますが、もう1つ大事なことがあります。それは唾液の分泌をよくすることです。

唾液には健康に役立つさまざまな働きがありますが、その1つが抗菌作用。歯周病は歯周病菌の繁殖によって進行しますが、唾液がよく分泌されていると口の中が清潔に保たれ、歯周病菌の繁殖を抑えることができるのです。
毎日歯を磨いているのに、歯周病も高血糖も改善しないという人がいます。こうした人は唾液の分泌が悪いのかもしれません。唾液の分泌が少なくなつて口が乾く病気をドライマウス(口腔乾燥症)と言いますが、この病気は高齢になるほど患者数が増える傾向がみられます。

また年齢に関係なく、ストレスが原因でドライマウスを発症することもあります。頻繁に水やお茶を飲む人は唾液の分泌が悪くなっている可能性も。唾液の分泌をその場でよくする簡単な方法に「耳の下もみ」があります。
もむ場所は、耳の前方のやや下で、上の奥歯の辺りです。やると誰でも、唾液がジワーツと出てくるのが実感できるはず。ここにはじかせん唾液が分泌される耳下腺があるため、もむと唾液が分泌されるのです。さらに耳下腺から出る唾液は、粘り気のないサラサラ唾液なので、口の中を即効で潤してくれるのです。

ただし耳下腺のサラサラ唾液は、ストレスで緊張していると出にくくなります。そのため、リラックスのツボである「完骨」のツボも一緒にもむとよいでしょう。歯周病の悪化が防げ、高血糖も改善されてくるでしょう。
歯周病対策(なたまめなど)と具体的な改善や感想(一覧)

耳下腺もみ 耳の少し下、上の奥歯の辺りに耳下腺がある。左右の耳下腺をもむ。

目を閉じて呼吸を整え、耳下腺に指を当て、矢印の方向で円を描くように軽くもむ。あまり強くもまないこと。これを10回繰り返す。1日何回やってもかまわない。口が乾いたときやねばついたときにやる。

リラックスのツボ「完骨」耳の下の後ろ側にある出っ張った骨のすぐ下の完骨をもむ。

耳下腺と同じように、目を閉じて呼吸を整え、完骨に指を当て、矢印の方向に円を描くように左右もむ。ツボなのでやや強めにもんでもいい。

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ミスの5大原因を意識する

自律神経の中で大事なポイントになるのは、「人間がミスをする5大要素」についてです。自律神経に深く関わる問題ですし、「人生の質」を決定づける大事な要素です。

あなたは自分がミスをするパターンについて考えたことがあるでしょうか。私自身、自分のミスを検証してみると、いくつかのパターンがあることに気づきます。そして、そのパターンには、自律神経の乱れがかなり強く影響しています。そもそも人間は、何の理由もなく、突発的にミスをするのではありません。

「ミスをするからには、それなりの身体的問題」が必ず起こっているものです。逆にいえば、「自分がどんなパターンでミスをしているのか」を知れば、かなりの確率でミスを未然に防ぐこともできます。

なかなか興味深い話だと思いませんか。では、具体的に「人間がミスをする五大要素」を見ていきましょう。「5大要素」とは次の5つになります。

  1. 自信がない
  2. 時間的な余裕がない
  3. 未知のものに遭遇した
  4. 自分の体調が悪い
  5. 周囲の環境が悪い

私たちがミスをする際、大抵はこのどれかに該当しています。あなたが起こした過去のミスを思い返してみてください。必ずこのうちのどれかが( あるいは複合的に)作用しているはずです。

いうまでもなく、この「5大要素」はすべて、自律神経のバランスを大きく崩す要因となるもの。「不安の根源」と言い換えることもできます。

自信がなければ当然不安になるでしょうし、「時間がない」と慌てているときも、心のなかに不安が宿っています。初対面の人に会うときも同じ。何かの発表をするときに、「必要な資料がない」「会場の状況がわからない」など環境要因が不安を生み出すことはよくあります。

そして、体調が悪ければ、それだけで不安は増大します。これらの不安が交感神経を高め、副交感神経をレベルダウンさせるため、いつものパフォーマンスができず、結果としてミスをしてしまう。すべてを自律神経のせいにすることはできませんが、自律神経のバランスを少しでも寧ろることができれば、それだけミスを減らすことができるはずです。

不安の根源を突きとめる

ミスを減らすには、自律神経を整えることが大事。そして、自律神経を寧ろるには、「不安の根源」を見極める必要がある。実際にやってみましょう。
やり方はいたって簡単です。先に挙げた「5大要素」のなかで、何があなたを不安にさせているかを考えてみればいいだけです。

すると必ず1つか、2つの要素が浮かび上がってきます。たとえば、「自信がないうえに、体調が悪いから、今日はこんなに不安なんだ」と「不安の根源」を認識することができます。

じつはこれが非常に大事。「形にする」という行為です。もちろん、それで不安がなくなるわけではありません。「自信がない状態」が急に改善されることはありませんし、「体調が悪い」のもすぐにはどうにもできません。ですが、「不安の根源」が明確になるだけでも、自律神経のバランスは整ってきます。

何度もいいますが、そのくらい「意識」と「自律神経」は密接につながっているのです。何かの不安に直面し、自律神経のバランスを崩しているときは、ぜひとも冷静に「不安の根源」を「5大要素」から見つけ出してください。

むずかしいことは何1つありません。ただ意識して、考えるだけ。それでも体は敏感に反応し、自律神経が整いはじめます。

不安要素を1つずつなくす

さらにもう1つ、ミスを未然に防ぐために「5大要素」を可能な限りつぶしておくことも、かなりの効果を発挿します。

たとえば今日、体調が悪いのに、初対面の人と会わなければならないとします。当然、あなたは緊張し、不安を感じています。それだけでも辛いのに、時間に余裕がなかったら、どんな精神状態になるでしょうか。

不安のトリプルパンチによって交感神経は跳ね上がり、ほとんどパニック状態になるかもしれません。かなりの確率でミスを誘発するシチュエーションです。

さて、ここからが重要です。ミスを誘発する「5大要素」には、自分ではどうにもならないものと、どうにかして回避できるものが含まれています。
その区別をしてみるのです。「初対面の人と会う」と決まっているなら、「未知のものとの遭遇」という不安要素は絶対になくなりません。

しかし、「体調を整える」とか「時間に余裕を持って出かける」というくらいなら容易に実行できるかもしれません。そのはか、「会う場所」や「用意する資料」などの環境要因を万全にしておくことで、不安要素の1つをなくすことも可能です。

ただ単純に「初対面の人と会うから不安」「人前で発表しなきやいけないから不安」「取引先の人が怖いから不安」などと思っているうちは、漠然として、形になっていないため、不安要素を取り除くことができません。ですが、「5大要素」を利用して「何が自分を不安にさせているのか」「どれが避可能で、どれが不可能なのか」をきちんと検証すれば、たとえ不安要素が残つていても、ある程度は自律神経のバランスを保つことができるようになります。

「5大要素のうち、回避できるものは回避した」と思えるだけで、副交感神経が高まり、かなり気持ちは落ち着いてきます。ミスの多い人、緊張しがちな人、すぐに不安を覚える人は、ぜひとも試してみてください。

不安要素を明確にして、可能な限り「その不安要素」を取り除いておく。叩これも「ゆっくり生きる」ために、とても重要な意識です。自信がない、時間がない、初めての体験で不安だ、準備が不十分で心配だと感じるときこそ、一旦立ち止まり、「何か、取り除ける要素はないか? 」と冷静に自問してみてください。その瞬間、あなたの自律神経は整いはじめているものです。

さがし物は時間を決めてから

時間管理と呼ぶにはあまりに些細なことかもしれませんが、さがし物についてです。「さがし物」は意外とやっかいで、思った以上に時間もとられるし、見つからなければ心のストレスが持続してしまうもの。

結論からいって、さがし物は時間を決めてから行うべきです。普通に生活していれば「あれ、どこにやったっけ?」「あの資料がない!」など、さがし物をしなければならない場面はいくらでも訪れます。
そして、さがしもので疲弊するととても疲れてしまいます。

そこで私たちは必死になってさがすのですが、こんな場面であっても副交感神経を高める(あるいはさげない)意識が必要です。そもそも、何かをさがすとき「どうしよう、どうしよう!」と不安な気持ちいっぱいで動き回ってもロクな結果を生みません。さがし物をするときは、なによりもまず冷静になることが肝心です。

さがし続けるのは非効率

その第一歩が「0時までさがそう」とデッドラインを決めること。とかく私たちは「大事なものだから見つかるまでさがす」という意識(無意識にでもそんなスタンス)でさがしはじめてしまいます。

しかし実際には、3日も4日もさがし続けるわけにはいきません。「見つかるまでさがす」なんて現実的には不可能なのです。ところが、多くの人たちは「何としても見つけなきや!」と自分にプレッシャーをかけ、交感神経が跳ね上がった状態でさがし物を続けます。

これはさまざまな意味で非効率的です。交感神経が高い状態では、血流が悪くなり、脳の働きは低下するので「さがす能力」そのものも決定的にダウンします。
それでも見つかればまだマシですが、結局見つからなかった場合には「副交感だいたいあん神経が下がっている状態で代替案を考える」という最悪の事態が待っています。

物がなくなった時点でかなりイライラしているのに、その後でまともな代替案などさがせるわけがありません。まして、一度下がった副交感神経が回復するのに約3時間かかるので、その日の半分を台無しにしてしまうようなものです。

さがし物は、自律神経にとって意外な大敵なのです。

落としどころを決める

「あれ、○○がない」と気づいた瞬間、まずは「さがし物」という行為そのものの「落としどころ」を決めることが肝心です。さがし物を始める前に、「とにかく15分はひたすらさがす」「見つからなかったら、その時点で代替案を考える」とはっきり決めてしまうのです。

この「決めてしまう」というところが大事なポイント。こうやってアクションとデッドラインが決まってしまえば、安心して、さがし物に集中できます。「必要な物がない」という危機的状況でも、比較的冷静に頭脳を働かせることができます。

そして、これは不思議なことですが、人間の脳というのは「最悪こういう結果になる」と「形」になってしまえば、それだけでひとまず安心できるのです。

つまり、「15分さがして、見つからなければ代替案を考える」という最悪の結果が「形」になっていることが、じつは非常に大事なのです。よく優秀な経営者が、リスクマネジメントについて「とにかく最悪のケースを想定する」と話しています。

なぜ、彼らが最悪のケースを想定するかといえば、それで安心したいからです。起こる事態は最悪でも、それが「形」になり、想定されていれば安心につながります。

さがし物をするときも「見つからなかったらどうしよう」というあいまいな不安のなかにいてはダメ。たとえ最悪のケースでも「2血分さがして見つからなかったら、代替案を考える」という明確な形を想定したほうが、安心してさがし物に没頭できます。それが自律神経を乱さないさがし物のあるべき姿です。

たかがさがし物、されどさがし物。ぜひとも終わりの時間を決めて、最悪のケースを想定してからスタートしてください。

不安材料は「安心できる状況下」で向き合う

ここではあえてさがし物について語ってきましたが、ちょっと視点を変えてみると「何かの解決策を探る」という場面でもまったく同じことがいえます。職場や家庭で問題が発生したときのことを思い出してください。

そんなとき「いい方法が見つかるまで永遠に考える」というのは得策ではありません。すでに述べたとおり、人間の集中力が続くのはせいぜい90分。思考をする「勝負の時間」は午前中。プレッシャーのかかる状況では交感神経が跳ね上がり、脳に十分なブドウ糖が供給されない。これらはすべて人間の体が備えている特性です。その特性にそぐわない形で無理に考えようとしても、効率は下がるばかりです。もし、本当に解決しなければならない問題があるなら、人間の能力が最大限に発揮できる状態を整えてから、議論を開始するべきです。

たとえば、朝9時に必要なメンバーを招集し、「11時半には終える」とデッドラインを決めます。その際、「今日の11時の時点で出ている実のなかから1つ、解決策として採用する」、あるいは「今日のミーティングで解決策が見つからなければ、明日も同じ時間に会議を開く」という具合に「落としどころ」を決めておきます。

そうやって「落としどころ」が決まっていると、人は安心して問題に集中する207ことができます。チームのメンバーが安心していると、自律神経のバランスが整い、それぞれの脳を最大限に活用することができますし、感情的になるのを防ぐこともできます。

ぜひとも、医学的に理にかなったミーティング方法、問題解決の仕方を採用し、効率的に物事を進めてください。いうまでもなく、「解決しなければならない問題がある」というのは大きな不安材料です。しかし、「不安材料がある」のと「不安な状況下で考える」のは、まったく別の詣です。不安材料があるからこそ、できるだけ「安心できる状況」をつくってから、話し合いをスタートさせる。この意識を忘れないでください。

もちろん家族の問題でも同じ。本当に問題を解決したいなら、お互いが好きな音楽でもかけて、「1対2の呼吸」をするなど、ある程度、副交感神経を高めたうえで話し合いを始めてください。

できれば心地よいオープンカフェにでも行って、空を見ながら話し合いができれば最高です。深刻な問題を抱えているときに「ちょっと音楽をかけよう」「オープンカフェにでも行ってみよう」なんて気分にはなかなかなれないでしょうが、医学的な見地からいうならそうやって環境を整えることが非常に大切。それだけの環境を揃え、自律神経のバランスを整えることができれば、問題の半分は解決したようなものです。

検証のスイッチで自律神経の乱れを調整する

健康体をつくる1週間の時間の使い方

1日の時間の使い方を紹介するものはたくさんありますが、1週間単位だとあまりないので、1週間の使い方について考えていきましょう。

年齢を追うごとに仕事の質・量ともにアップしてきた。そんな印象を持っている人も多いはずです。若い頃に比べればスキルも経験値も上がっているので、相応に仕事の質や量が上がっていくのも当然です。

しかし、その一方で体力的にはあきらかに低下している。40代、50代の時間管理の肝は「そのギャップ」を埋めることにあります。
いわれてみると、ごく当たり前の詣ですが、ここを意識して時間管理をしている人は意外に少ない。なぜなら、40代、50代の時間管理には「若い頃の時間管理」とはまったく逆の発想が必要だからです。

仕事と体力のギャップ

ここで一度、あなたのキャリアを振り返ってみてください。20代は仕事を始めた年代であり、だんだんと仕事が忙しくなっていく時期。
忙しいのは事実ですが、今振り返ってみると「仕事が多い」というよりは「自分の能力が低い」ために忙しくなっていた。そんなふうに感じられる年代ではないでしょうか。

この年代は、とにかくがんばって仕事に慣れ、能力を高めるしかありません。あり余っている体力をフルに使って、地道にがんばるしかない。そんなわかりやすい年代です。

続く30代は、本格的に忙しくなってくる年代であり、同時にスキルが飛躍的に向上する時期でもあります。20代に比べれば体力の衰えも多少ありますが、仕事にはっきり影響するほどではありません。

むしろ、キャリアを積んで能力がアップし、仕事の効率も上がっているので「忙しさにどんどん対応できる年代」といえるのではないでしょうか。そして、訪れる40代、50代。私たちはここで初めて「仕事は増えるのに、体力が落ちる」というリアルなギャップを経験します。

それだけならまだしも、20代、30代で産んだ子どもたちがむずかしい時期を迎え、金銭的にも物入りになる。親たちの老後の問題も降りかかり、時間的にも、精神的にも苦しい時期を迎えます。

そうやって負担やストレスは倍増し、対処すべき問題は山積しているのに、体力は確実に低下し、副交感神経のレベルは急激に落ち込んでいきます。当然血流が悪くなり、集中力、思考力、感情をコントロールする抑制力など、あらゆる側面がレべルダウンしてしまう。

残念ながら、ギャップは広がる一方です。まご厳しい事情ばかりを並べ立てて恐縮ですが、これも40代、50代が抱える紛うことなき現実です。

ところが、「日々の忙しさ」にのまれていると、そのギャップをつい見逃して、若い頃のように「どんどんスケジュールを埋めていく」という時間管理をしてしまいます。あなたもそうではないでしょうか。
じっは、ここに大きな落とし穴があります。40代、50代が非常に優れた能力を持っていることは確かですが、その能力を「長時間、大量に」発揮することはできません。端的に表現するなら「無理のきかない年代」「無理をすると、かえってパフォ- マンスを落としてし事つ年代」です。

40代、50代になったのなら、その状況的な問題、肉体的な事情など、さまざまな要素を総合的に考慮しっつスケジュールを組まなければ、必ずどこかにヒビが入ります。

仕事で大きなミスをするとか、体を壊してしまう可能性もあるでしょう。あるいは、家庭を含めた人間関係を決定的に崩壊させてしまうなど、どこかに必ず無朋理が生じてしまうのです。問題の真因はいろいろあるでしょうが、「抱えている案件の量」に対する「処理能力の限界」というギャップが少なからず影響しているはずです。
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意識してブランクを設ける

そこで推奨したいのが、「週に1日ブランクを設ける」という時間管理法。実際に実践している例でいえば、毎週木曜日はまるまる1日予定を入れないようにしています。

正直いって、多くの人が「超」がつくほど多忙を極めています。「そんな1日を設けるくらいなら、もっと別の予定を入れるべき」と考えたくなる気持ちはわかります。

多くの方が40代前半まではブランクなどつくらず、目いっぱいスケジュールを埋めています。しかし、あるとき「これでは全体のパフォーマンスが低下する」と気づいたのです。忙しさのあまり、どうしても全体を僻撤することができなくなる。そのせいで、仕事に「抜け」が生じたり、優先順位を正しく判断することがむずかしくなってきたのです。

同時に、スケジュールがいっぱいだと急な変更に対応できないという現実的な問題にもぶつかりました。結局、そのスケジュールの問題が無用なストレスを生み、自律神経を乱し、パフォーマンスを落としていく。そんな悪循環にはまり込みそうになったのです。

そこで私は思い切って、週に1日ブランクを設けることにしました。休日とは別に、平日の1日をまるまる空白にするのです。忙しい日常のなかでブランクを設けることが大変なのは、重々承知しています。

ですが、その「ブランク」をつくることで、仕事全体を把握できるようになり、なにより気持ちに余裕が生まれます。ブランクの日に1度リセットできるので、1週間を通しての安心感がまるで違います。安心しているので、当然自律神経は整い、より高いパフォーマンスを安定的に発揮できるようになります。

多忙極める40代、50代の人たちは「この忙しいなかで、予定を空けるなんて無理!」と思うでしょうが、やってみれば必ずできます。

そして、この時間管理を実践すれば「何でもっと早くやらなかったんだろう」と必ず思うようになります。現実的に丸1日あけられない人は「水曜日の午後は空白にする」と「半日ブランク」を設けるのでも、とりあえずOK。

それも無理という人は「木曜日の15時~17右時は絶対何も入れない」という感じで、試験的に「2時間ブランク」からスタートするのでもいいでしょう。
とにかく、強い決意を持って「ブランクをつくる」という時間管理を実践してみてください。ブランクの時間には、1週間の仕事全体を僻撤してもいいし、この先の方向性、やり方、優先順位などを「ゆっくり」考えるのもいいでしょう。

それでも時間が余るようなら、デスク周りを整理したり、本棚の本を並べ替えたって構いません。それだけでも副交感神経は高まってきます。

社内にいると人に声をかけられたり、電話が頻繁にかかってくるという人は、必要な資料を持って近くのカフェにでも行って、ブランクの時間を過ごすという方法もあります。

まさに、「ゆっくり生きる人のワークスタイル」です。目いっぱいの忙しさでフル回転していた人にとって、ブランクを捻出するのは最初はかなりむずかしいでしょうが、その効果は必ず実感していただけます。そして、気がつけば「ブランクなしでは働けない」という感覚になっているはずです。

自律神経を安定させるための習慣はこちら。