肝臓を労る生活習慣の基本は食べ過ぎ・飲み過ぎに注意して肥満を防ぐ

腹八分目の食事が基本

肥満の原因の多くは、食べ過ぎによる栄養過剰。食生活の習慣はだいたい20歳ぐらいまでにできあがります。年をとると若いときほどエネルギーを必要としなくなりますが、年齢に合わせて食習慣を改めることができず、気づかないうちに食べ過ぎてしまうことが多いのです。

消費しきれなかったエネルギーは、脂肪として皮下や内臓の周りに貯えられます。体内のエネルギーが不足すると、貯蔵された脂肪が消費されます。でもエネルギーが過剰な状態が続けば、脂肪がたまり続けて肥満が進行し、脂肪肝になるリスクも高まっていきます。食べ過ぎによる肥満の第一の原因は、糖質の多い食品です。

日頃からごはん、パン、めん類などをとり過ぎないように注意。食事だけなく、間食にお菓子や甘い飲み物をとり過ぎていないかどうかもチェックしましょう。肝臓に負担をかけないようにするためには、満腹するまで食べる習慣を改め、1日3回、規則正しく食事をとることも大切です。

週に2日は休肝日を

肝臓には、有害物質を分解して無害な物質に作りかえる解毒作用があります。お酒に含まれるアルコールも、体内では有害物質とみなされ、肝臓で解毒されます。そのため、お酒を飲み過ぎると肝臓に大きな負担がかかるのです。

こうした状態が続くと肝臓の機能が低下し、脂肪肝などの肝障害を引き起こす原因となります。また、アルコールそのものによる害のほか、高エネルギーのお酒をたくさん飲んだり、油っこいおつまみを食べたりすることも問題。エネルギーのとり過ぎから、脂肪肝を引き起こすケースもあるからです。
2週間の禁酒が脂肪値を半分に

お酒には、血行の改善や心身のリラックスなど、体によい効果もあります。医師にお酒を禁止されている場合は別ですが、お酒が好きな人の場合、我慢しょうとストレスをためるより、適量のお酒を飲んだほうが体への悪影響が少ないこともあります。体調に合わせて、体に負担をかけない範囲でお酒を楽しみましょう。

適度な運動と休息で肝臓を守る

適度な運動でエネルギーを消費

肝臓病になったら安静が必要といわれていますが、急性肝炎の初期や重度の肝機能障害の場合を除き、適度な運動は問題ありません。運動することによって筋肉が維持されれば糖やたんばく質の代謝もスムーズになり、食事でとり過ぎてしまったエネルギーを消費することにもつながるからです。

だからといって、今まで運動をしていなかった人がいきなり激しい運動をする必要はありません。エスカレーターのかわりに階段を使う、家の周りを散歩するなど、日常生活の中で体を動かすことを心がけるだけでもよいのです。運動をする場合、ひとつだけ注意したいのは、食後すぐに行わないこと。食後はエネルギーを代謝する肝臓の仕事が多くなるため、肝臓に十分な血液を送る必要があるのです。
運動すると筋肉の血行がよくなって肝臓への血流量が少なくなり、肝臓の働きを妨げてしまいます。

たっぷりの睡眠で肝臓を休める

人間の体は、日中に活動し、夜は休息するように作られています。肝臓の健康を守るためにも、夜は活動量を減らしてゆっくり休むことが大切です。肝機能アップのためには、早寝・早起きを心がけ、7時間程度の睡眠を確保することが理想です。

寝つきが悪い人は、睡眠サイクルをつかさどる体内時計が乱れていることが多いもの。朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴び、決まった時間に起きるようにして、体のリズムを整えましょう。

便秘を防いで肝臓の負担を軽くする

便秘は肝臓の大敵

便秘で腸内に便がたまると、腸内に停滞している便からアンモニアなどの有害物質が発生します。体内の有害物質を解毒するのは、肝臓の仕事。そのため、便秘をすると肝臓にかかる負担も大きくなるのです。便秘を解消するためには、生活のリズムを整え、食事の内容に気をつけることが大切です。

まず、朝食は必ずとること。腸を動かすためには、胃や腸に食べ物を送り込む必要があるからです。そして、便意を感じたらすぐにトイレへ行きましょう。便意を我慢することは、便秘の原因のひとつです。我慢するのが習慣になると、便意そのものを感じにくくなってしまうこともあるので要注意です。
食物繊維と水分を十分にとることもポイント。食物繊維には、便の量を増やしたり、腸の働きを活発にしたりする働きがあります。また、水分をたっぷりとることで便が軟らかくなり、排泄がスムーズになります。
イサゴールはおすすめです。

ストレスを上手に解消する

ストレスも肝機能低下の原因に

ストレスとは、外部からの刺激によって起こる精神的な緊張や体の防衛反応のこと。ストレスはさまざまな病気の原因となり、肝臓にも悪影響を及ぼします。ストレスが発生すると、ホルモンの一種・アドレナリンが分泌されます。アドレナリンは、体がストレスに負けないよう心拍数を上げたり、血圧や血糖値を上昇させたりします。

ストレスがなくなると体内でアドレナリンが壊され、体は通常の状態に戻りますが、問題なのは、そのときに大量の活性酸素が発生すること。活性酸素には、細胞に含まれる脂質を有害物質にかえ、健康な細胞を傷つける働きがあります。肝細胞が傷つけば肝臓の機能も低下し、さまざまな不調や病状の悪化につながります。現代社会では、ストレスのない生活を送るのは、ほぼ不可能です。ストレスの原因や解消法は人によって異なりますが、自分に合った方法で対処することが大切です。

禁煙

たばこの煙には、ニコチンやタールなど、さまざまな化学物質が含まれています。これらの物質が体内に入ってくると、肝臓では解毒処理を行わなければなりません。そのため、たばこを吸う本数が多いほど、肝臓に負担をかけることになります。
たばこの煙には活性酸素が含まれています。さらに、喫煙によって、強いストレスを受けたときと同様にアドレナリンが分泌されるため、体内でも大量の活性酸素が発生します。活性酸素は健康な細胞を傷つけ、肝機能にも大きなダメージを与えます。たばこに、抗酸化作用のあるビタミンCを大量に消費する性質があることも問題。
体内で活性酸素を撃退する働きを弱めることにもつながってしまうからです。肝臓のためにもっともよくないのが、お酒を飲みながらの喫煙です。たばこの化学物質に加えてアルコールまで肝臓で解毒しなければならなくなり、肝臓にかかる負担がいっそう大きくなってしまいます。
肝臓の数値に不安がある方はシジミです。

肝臓を労るに週2日の休肝日が必須

体にとって最もよいお酒の飲み方は、1回の飲酒量を適量にし、しかも1週間の飲酒回数を少なくすることです。

アルコールを毎日飲んでいると、肝臓はそれになれてきてアルコールを速く処理するようになります。俗に「お酒に強くなる」というのが、この現象です。

お酒になれるということは、逆な見方をすれば肝臓がそれだけ一生懸命に働いているわけで、ぁまりにもそれがつづきすぎると肝臓に負担がかかります。

もちろん膵臓や胃などにも負担がかかることになります。つまり、ここで強調したいのは、決してお酒に強くなった」と過信してはならないということです。

たとえばアルコールのせいで肝臓を悪くした人を見てみると、確かに酒量が多くて、お酒に強く見えます。しかし、それゆえにこそ肝臓に相当の負担をかけて悪化させてしまっているのです。

連日の飲酒習慣のある人は、週2日は完全にお酒を断つ必要があります。肝臓は回復力が旺盛なので、2日間のうちに傷んだ細胞が生き生きとよみがえります。疲れた肝臓にも週休2日を与えてリフレッシュさせようというわけです。休肝日を習慣づければ、肝臓に無理な負担をかけることもなく、適量で気持ちよく酔えるでしょう。

2週間の禁酒が脂肪値を半分に

肝臓に負担をかける薬はお酒と一緒に飲まない

医師から何か薬を処方してもらい、それを飲んでいるときは、アルコールの飲み方について必ず医師の指示に従う必要があります。
それというのも、薬とお酒をいっしょに飲むと、肝聴で薬を処理する速度が著しく遅れてしまうことがあるからです。睡眠薬の場合、ことにその作用が強く出て、ときには昏睡に陥る危険があります。

同じことが糖尿病の血糖降下薬や心臓病の抗凝固薬についてもいえます。売薬を利用するときも、使用説明書の注意事項には必ず目を通すようにしましょう。この程度なら、という素人判3断は危険です。

飲酒を夜9時までにすることで不快な二日酔いが予防できる

不快でツライ二日酔いを完全に防ぐ、とっておきの方法があります。それは、夜寝ている間に、飲んだアルコールが血液中から完全になくなるような飲み方をすることです。

では、その飲み方とはどんなものなのか、日本酒の場合を例にとってお話ししましょう。体重60kgの人が1時間に処理できるアルコールの量は6~12 gです。日本酒を仮に3合飲んだとすると、それに含まれるアルコール分は約65gですから、弱い人で10時間、強い人で5時間ほどでアルコールはほとんど分解されてしまいます。

普通の人であれば、7~8時間でアルコールが抜けると考えてよいでしょう。この計算でいけば、日本酒3合を午後10時に飲み終えると、翌朝の5時か6時にはアルコールの処理が終わっていることになります。

逆に同じ日本酒3合でも、深夜の2時、3時まで飲んでいるようでは、翌日の午前中になってもアルコールが抜けず、二日酔いは避けられません。

つまり、お酒の量もさることながら、切り上げる時刻を早めにすることが二日酔いを防ぐ飲み方なのです。具体的には、できれば午後9時に酒席を離れるようにしましょう。一番盛り上がる時間帯に席を離れるのはツライかもしれませんが、二日酔いを避ける飲み方です。

しじみの特効成分タウリンが疲れた肝臓に効く

悪酔いを防ぐのは適量を守りチャンポンしないこと

種類の違うお酒を、いわゆるチャンボンで飲むと、悪酔いするとよくいわれます。この第一の理由は、飲む場所をかえる際の移動による疲労や、お酒の種類(濃度)の変化によってアルコールの絶対量がふえてしまうということにあります。

とりわけウィスキーやブランデーなど、アルコール濃度の高いものがまじると、血液中のアルコール濃度が著しく上昇し、アセトアルデヒドがたまって悪酔いするわけです。

それに加え次のような理由もあげられます。

たとえば、ビールを飲んだときと日本酒を飲んだときとでは、胃や腸の反応が異なります。お酒のアルコール濃度が違えば、体はいちいちそれに合わせて反応を変ぇなければならないのです。

さらに、お酒には種類によってアルコール以外のさまざまな成分が含まれています。日本酒に含まれる有機物は実に300種類以上。何種類ものお酒を飲むということは、アルコール以外の成分にもそれぞれ体が対応しなければならず、同じお酒を飲むのにくらべ、体に大きな負担をかけることになるのです。

アルコールの絶対量と体にかかる負担がともに増加するのですから、悪酔いを招くのは当然です。お酒を飲むときは原則としてチャンボンにしない、ぜひこれを守っていただきたいものです。

そして、基本的なこととして日本人が肝臓の心配をせずに飲める量は日本酒換算で1日2合以内ということです。