ダイエットには隠れたうつ病のリスクが潜んでいる

栄養分の不足は脳の働きにも影響を及ぼすことがある

  • もう少しやせたら?
  • 足太いな

という、夫や恋人、あこがれの人からのなにげない一言でダイエットに挑戦した経験はありませんか?

そこそこのダイエットなら問題はありませんが、過激なダイエットの結果、精神のバランスを崩してしまう女性は多いのです。過激なダイエットが進むと、ただ節食してやせるだけではなく、拒食症に移行することもあります。

体重が30kg台以下まで落ちる、そのうち反動で過食に走り、嘔吐や下剤の服用を繰り返す…と、摂食障害にまで発展し、集中力や意欲もなくなり、うつに陥る危険もあるのです。

また、過激ダイエットで栄養分が不足すると、脳内神経伝達物質の働きにも影響が出ます。たとえば、心を安定させるセロトニンの原料は、牛肉、乳製品、大豆などに含まれるトリプトファン、豚肉や魚にあるビタミンB6です。過激なダイエットのため、特定の食品を遠ざけると、精神のバランスも失ってしまう結果になりかねません。
ビタミンB6を多く含む食品 | ビタミン Q & A

また、食べる楽しみも失いますし、おいしいものを食べたときに出る意欲のもとドーパミンの分泌も減ってしまいます。ダイエット自体は悪いことではありませんが、過激なダイエットはなんのプラスにもならないことを知っておきましょう。

女性のうつ病はこちら。

女性特有のうつの症状

一般に、男性よりも女性のほうがうつ病になりやすいといわれます。出産や更年期にうつ病がみられることから、女性ホルモンが関係していると考えられています。

女性ホルモンの影響がうつ病を招く

なぜ女性のほうがうつ病になりやすいのかということについては、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、その要因のひとつと考えられているものに、エストロゲン(女性ホルモン)との関係があります。

たとえば出産をすると急激にホルモンのバランスがくずれたり、閉経によって更年期障害などが起こったりします。こうした時期に女性がうつ病になりやすいところから、ホルモンが影響しているのではないかと推測されています。

また更年期のころは、女性をとり巻く環境や生活の変化が起こりやすい時期でもあります。子どもが成長して家から独立していくなど、母親としての役割を終えるようなこともあります。

また夫は働き盛りということで、家のことには無頓着になり、孤独感やむなしさを感じるようになりがちです。こうした生活の変化が心に微妙な影響を与え、うつ状態になつたり、うつ病に結びつくことがあるわけです。

このほか、女性がうつ病になりやすい時期としては、男性と同様に、老年期もあげられています。
年代別うつの症状(老年期)

産後うつ病(お産の後にうつ病になってしまう)

産をしたあと、数週間たってうつ病さんじょくきになる人がいます。これを産後うつ病といいます。このうつ病は出産後1~2週間から数ヶ月の問に発症することが多いといわれます。症状としては次のようなものがあります。

  • 抑うつ気分
  • 不眠
  • 不安
  • いらいら
  • 意欲の低下
  • 思考力や集中力の低下
  • 自責の念をいただく
  • 死を考える

これらは、典型的をつつ病の症状とほとんど変わりません。加えて、今後の子育てを思い、「赤ちゃんを育てていく自信がない」などということもあります。

つまり、子育てに関する不安が非常に強くなるのです。また、自分を責める傾向も強くなります。これとは逆に、自分の子どもに無関心になるケースも、ときにはみられます。お産は女性にとっては大仕事ですので、体に大きな負担がかかることはいうまでもありませんが、精神的にも今後の子育てをはじめ、さまざまな不安を感じるのはしかたがないことです。しかし、産後うつ病では、ことさらにお産が重かったとか、出産にまつわる夫婦や家庭の問題があったとか、精神的にショックを受けたというような、特別なストレスがきっかけとなるわけではありません。

なぜこのようをつつ病が起こるのかについては、はっきりとわかっていませんが、前述のように出産してホルモンのバランスがくずれることで起こるのではないかと考えられています。

妊娠中は胎児を育てるための女性ホルモンが分泌され、出産後はそれが少なくなるなど、ホルモンのバランスが急激に変化することが影響しているのではないかというのです。

このほかにみられる症状としては、幻覚や妄想が起こつたり、精神錯乱状態になることもあります。この産樽期うつ病とよく似た症状を示すものに「マタニティブルー」といわれるタイプがあります。症状としては、軽いうつ状態になるほかに、涙もろくなる、逆に気分が高揚したり、落ち着きがなくなる、不安が強くなるなどがあります。
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マタニティブルーの場合は、症状はだいたい一過性のもので、出産後2~10日で症状が出て、数日から2週間くらいで自然と消えていきます。ただ、これらの症状がうつ病の前兆であることもあるので、きちんと見きわめる必要があります。産裾期うつ病で最も注意しなければいけないことは、やはり自殺です。今後の子育てに不安を感じてか、赤ちゃんを道連れにしてしまう例もありますので、十分に気をつけなければなりません。

更年期にうつ病になる人もいる

中年女性のうつ病の症状は、基本的には中年男性の場合とほぼ同様で、典型的な症状を示すのが特徴です。50歳前後となると、更年期という女性としての大きな節目を迎えることになります。閉経という事実が老化を考えざるをえなくさせ、心にも微妙な影響を与えます。

また更年期になると、いわゆる更年期障害といわれるいろいろな症状が出てきます。体の不調を訴える不定愁訴も起こりやすくなります。
さまざまな自覚症状を訴えることを愁訴といいますが、不定愁訴というのは、その訴えが不定で、検査をしても異常が見つからない状態のことをいいます。

訴えとしては、寒け、冷え、のぼせ、動悸、頭痛、めまい、しびれ、吐きけ、下痢、便秘、腰痛などが多いようです。

これらの中でも、一時的に体が熱くなるホットフラッシュなどはよく知られています。また、こうした体の症状ばかりではなく、心にも影響を与え、うつ状態を伴うこともあります。更年期障害も、ホルモンのバランスがくずれることによって起こるといわれますが、厳密にはまだどの程度ホルモンが影響しているのか、よくわかっていません。

この時期で注意しなければいけないのは、うつ病になる人がふえてくるという点です。しかも困ったことに、こうした更年期障害による不定愁訴と、「仮面うつ病」による不定愁訴と見分けをつけるのがたいへんむずかしいということです。

うつ病の症状は、体にもあらわれますが、その症状と更年期障害の不定愁訴の症状とをくらべてみると、両者がたいへんよく似ているのです。
このため、更年期障害のせいだと思ってしまい、うつ病であることに気づかず、発見が遅れてしまうことがよくあります。
更年期についてはこちら
体の症状のほうが目立つうつ病のことを「仮面うつ病」といいます。「仮面うつ病」というのは、体の不調ばかりに目がいって、気分の落ち込みなど精神面の症状がその陰になって見えにくいうつ病のことです。

別な言い方をすると、身体症状がメインとなるうつ病ということになります。このうつ病は、軽度のうつ病に多いといわれます。

「仮面うつ病」の人は、精神的な症状の自覚が少ないのですが、よくよく聞いてみると、意欲がわかない、何をするのもおっくうといった精神面の症状を伴っているのがわかります。以下に仮面うつ病の症状をあげてみます。

  • 不眠
  • だるい
  • 疲れる
  • 食欲不振
  • 胃腸が不調
  • 便秘または下痢
  • 頭痛
  • 動悸

仮面うつ病になるのは女性に限ったことではなく、男性にもみられるものですが、更年期障害の症状のために精神面の不調が見すごされることが多いことから、女性には注意を要するうつ病です。

なお、「仮面うつ病」という名前は、正式な診断名ではなく、このタイプのうつ病をわかりやすく説明するのに具合がよいということから使われるようになったものです。

季節性感情障害(季節によって、うつ状態になることも)

比較的若い女性に多くみられるうつ病に「季節性感情障害」(季節性うつ病)と呼ばれるものがあります。季節によって症状があらわれるというもので、特に多いのが秋から冬にかけてうつ状態となり、春から夏にかけて自然とよくなるタイプで、「冬期うつ病」といわれます。

なぜこうしたことが起こるのかということついてはまだわかっていませんが、日照時間との関係があるのではないかと考えられています。

わが国では大都会に生活する人に多くみられるようです。通常のうつ病であれば、不眠や食欲不振といった症状がみられますが、このうつ病では逆で、気分が沈み込み、意欲もなくなる症状に加え、過眠や過食が多くなるのが特徴です

うつ病は心の病か?

うつ病は、必ずしもわかいにく病気ではなく日常的に使っている言葉やイメージによってきちんと理解を求めていくことができます。

  • うつ病は心の病気です。心も体と同じように、病気になることがあります
  • 「うつ病は心が風邪をひいたようなものです」

最近、こんな説明がよく聞かれます。とくに「心の風邪」ということばには、「だれでもかかる」「ちゃんと治療できる」「こわがりすぎる必要はないが、放っておくとめんどうなことになる」というメッセージが込められているようで、工夫されたいい方だと思います。

けれども、正直にいうと、私はこれらのいいまわしに対してどこか違うような違和感があります。以前、ある方から、「心のかぜ」だなんて、とんでもないですよ。もっとうんとつらいし、なかなか治らないし…と、いかにも腹立たしそうにいわれたことがあり、それも違和感を持つひとつの理由になっているのかもしれません。

ただ、もっと基本的なこととして、「心」ということば自体が持つニュアンスがあります。たとえば「心があたたかい」「心がまっすぐだ」「心が通じる」というようないい方から、日本語の「心」ということばには、ひとがらしせいその人の人柄やものの感じ方、生きる姿勢などに深く結びついている部分があるように息えるのです。考えすぎなのかもしれませんが、「心の病気」と聞くと、なんだかその人の人間性そのものにゆがみや障害が起きているような印象を受けてしまいます。

そういうイメージは、精神科医としてけっして持ちたくないものなのです。

うつ病は「気分の変調」が起きる病気です。統合失調症は「思考のまとまり」がつきにくくなり、不安障害では危険を感じて自由に動けなくなります。

それらはどれも、私たちの「脳神経の働き」と関係していることが、ある程度までわかっています。このように、いろいろな精神的な不調については、「心」という、あたたかいけれどあいまいなことばを使わなくても、きちんと説明することができます。

みなさんも、うつ病について、なるべく身近で具体的なことばやイメージで理解していってほしいと思います。うつ症状に悩む本人も、周囲でサポートする人にとっても、「ふつうのことば」による理解が、症状の改善へと向かう大きな力になるはずだと私は思います。

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遺伝や家族との関係性

うつ病と遺伝の関係ははっきりとわかっていませんが、家族にうつ病を発症した人がいる時には、精神的な距離を保ちながら見守りましょう。

うつと遺伝や家族との関係性についても、関心が集まる話題のひとつです。たとえば、「母親がうつ病でしたが、自分はだいじょうぶでしょうか」「同居している家族がうつ病になったのですが、なにか影響がありますか」というようなことです。

まず、遺伝に関する医学的な見解ですが、双極性障害(いわゆる操うつ病) についてはある程度遺伝の関与が考えられていますが、うつ病に関しては、はっきりしたことはわかっていません。

思い出してほしいこととしてうつ病はたいへん多くの人がかかっている病気だということです。女性のうつ病の生涯有病率は10~25%という高い数字です。

25% といえば4人に1人ですから、同じ家族のなかにl人、2人とうつ病の人がいても、さほど不思議なことではありません。科学的にはっきりわかっていないうつと遺伝の関係を心配するよりも、自分自身のうつを防いでいくためにできることを考えていくほうが、ずっと前向きです。

性格は、遺伝的な要因と環境的な要因がからみ合いながら形成されていきますから、自分の性格を理解して、環境との相性を考えていくのは、心の健康にとってだいじなことです。

たとえば、長年二人で暮らしてきた夫婦のうち、まず夫がうつ病を発症し、あとを追うように妻も発症するというように、家族のなかでだれかがうつ病になると、他の家族メンバーにいろいろな影響が出てくるということはたしかにあります。

これにはいろいろな理由が考えられますが、一般的にはやはり、いわゆる「巻き込まれてしまう」ということが大きいのではないかと思います。家族のだれかがうつ病になったときには、うつ病になった当人からも、自分自身からも、意識的に少し精神的な距り離を保ちながら、長い目で見守っていくということが、大切です。

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性格とうつの関係性

精神的な健康をためていくためには自分がどういう人間かをそれないりに知って、その持ち味を生かしながら具体的な問題に取り組んでいくことが大事です。

「私はうつ病になりやすい性格らしいのですが、これを変えることはできないのでしょうか」という相談を受けることがありますが、そもそも、うつ病になりやすい性格というものはあるのでしょうか。

ドイツの精神科医フベルトゥス・テレンバッハは、1961 年に出版した著書のなかで、「メランコリー親和型性格(うつ病に親和性のあるきんべんせき性格)」として、まじめで勤勉、責任感が強く、秩序やルールを大事にし、誠実で道徳心が高い、などを指摘しています。

また、日本絹神科医の下田医師はそれより30年ほど前に「執着性格」の人が操うつ病(現在は双極性障害と呼ばれているものですが、実際に研究に協力した人たちの大半はうつ病でした) になりやすく、特徴として、仕事熱心、凝り性、正直、几帳面、正義感が強い、などとしています。

ただ、結論からいうと、性格を変えようという考え方は、基本的にはおすすめできません。なぜならば、性格はそう簡単に変えられるものではありませんし、「こんな性格がうつになりやすい」というよりも、性格と環境の相互作用が「うつのなりやすさ」に大きく関与していることが、最近の研究でわかってきたからです。

たとえば、人間関係のこじれは、うつを引き起こしやすい誘因のひとつですが、とくに人づきあいをだいじにするタイプの人は、自分の意見がみんなに反対されたりすると強いストレスを感じます。

いっぼう、どんどん新しいことに挑戦していくようなタイプの人は、人間関係上の多少の摩擦は平気でも、自分が情熱をそそいだ仕事がうまくいかないと、まわりがびっくりするほど落ち込んだりします。

まず、自分の性格を受け入れて、だいじにする。そして、自分が力を発揮できる状況や、逆にストレスやプレッシャーを受けやすい環境を、少しずつでも把握していきながら、いま自分が直面している具体的な課題にひとつひとつていねいに向き合っふせていく。
そういうスタンスが、うつを防ぐという意味でも大きなポイントになります。

性格的にがんばりすぎる人ほど、むりをしてストレスをため込んでしまい、その結果うつを発症するというケースは多いのですが、そのきっかけとなるのは、昇進や退職、結婚や離婚などといった、大きな環境の変化です。

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