女性特有のうつの症状

一般に、男性よりも女性のほうがうつ病になりやすいといわれます。出産や更年期にうつ病がみられることから、女性ホルモンが関係していると考えられています。

女性ホルモンの影響がうつ病を招く

なぜ女性のほうがうつ病になりやすいのかということについては、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、その要因のひとつと考えられているものに、エストロゲン(女性ホルモン)との関係があります。

たとえば出産をすると急激にホルモンのバランスがくずれたり、閉経によって更年期障害などが起こったりします。こうした時期に女性がうつ病になりやすいところから、ホルモンが影響しているのではないかと推測されています。

また更年期のころは、女性をとり巻く環境や生活の変化が起こりやすい時期でもあります。子どもが成長して家から独立していくなど、母親としての役割を終えるようなこともあります。

また夫は働き盛りということで、家のことには無頓着になり、孤独感やむなしさを感じるようになりがちです。こうした生活の変化が心に微妙な影響を与え、うつ状態になつたり、うつ病に結びつくことがあるわけです。

このほか、女性がうつ病になりやすい時期としては、男性と同様に、老年期もあげられています。
年代別うつの症状(老年期)

産後うつ病(お産の後にうつ病になってしまう)

産をしたあと、数週間たってうつ病さんじょくきになる人がいます。これを産後うつ病といいます。このうつ病は出産後1~2週間から数ヶ月の問に発症することが多いといわれます。症状としては次のようなものがあります。

  • 抑うつ気分
  • 不眠
  • 不安
  • いらいら
  • 意欲の低下
  • 思考力や集中力の低下
  • 自責の念をいただく
  • 死を考える

これらは、典型的をつつ病の症状とほとんど変わりません。加えて、今後の子育てを思い、「赤ちゃんを育てていく自信がない」などということもあります。

つまり、子育てに関する不安が非常に強くなるのです。また、自分を責める傾向も強くなります。これとは逆に、自分の子どもに無関心になるケースも、ときにはみられます。お産は女性にとっては大仕事ですので、体に大きな負担がかかることはいうまでもありませんが、精神的にも今後の子育てをはじめ、さまざまな不安を感じるのはしかたがないことです。しかし、産後うつ病では、ことさらにお産が重かったとか、出産にまつわる夫婦や家庭の問題があったとか、精神的にショックを受けたというような、特別なストレスがきっかけとなるわけではありません。

なぜこのようをつつ病が起こるのかについては、はっきりとわかっていませんが、前述のように出産してホルモンのバランスがくずれることで起こるのではないかと考えられています。

妊娠中は胎児を育てるための女性ホルモンが分泌され、出産後はそれが少なくなるなど、ホルモンのバランスが急激に変化することが影響しているのではないかというのです。

このほかにみられる症状としては、幻覚や妄想が起こつたり、精神錯乱状態になることもあります。この産樽期うつ病とよく似た症状を示すものに「マタニティブルー」といわれるタイプがあります。症状としては、軽いうつ状態になるほかに、涙もろくなる、逆に気分が高揚したり、落ち着きがなくなる、不安が強くなるなどがあります。
水溶性低分子キトサンでパニック障害を克服し電車やバスに乗れるようになった

マタニティブルーの場合は、症状はだいたい一過性のもので、出産後2~10日で症状が出て、数日から2週間くらいで自然と消えていきます。ただ、これらの症状がうつ病の前兆であることもあるので、きちんと見きわめる必要があります。産裾期うつ病で最も注意しなければいけないことは、やはり自殺です。今後の子育てに不安を感じてか、赤ちゃんを道連れにしてしまう例もありますので、十分に気をつけなければなりません。

更年期にうつ病になる人もいる

中年女性のうつ病の症状は、基本的には中年男性の場合とほぼ同様で、典型的な症状を示すのが特徴です。50歳前後となると、更年期という女性としての大きな節目を迎えることになります。閉経という事実が老化を考えざるをえなくさせ、心にも微妙な影響を与えます。

また更年期になると、いわゆる更年期障害といわれるいろいろな症状が出てきます。体の不調を訴える不定愁訴も起こりやすくなります。
さまざまな自覚症状を訴えることを愁訴といいますが、不定愁訴というのは、その訴えが不定で、検査をしても異常が見つからない状態のことをいいます。

訴えとしては、寒け、冷え、のぼせ、動悸、頭痛、めまい、しびれ、吐きけ、下痢、便秘、腰痛などが多いようです。

これらの中でも、一時的に体が熱くなるホットフラッシュなどはよく知られています。また、こうした体の症状ばかりではなく、心にも影響を与え、うつ状態を伴うこともあります。更年期障害も、ホルモンのバランスがくずれることによって起こるといわれますが、厳密にはまだどの程度ホルモンが影響しているのか、よくわかっていません。

この時期で注意しなければいけないのは、うつ病になる人がふえてくるという点です。しかも困ったことに、こうした更年期障害による不定愁訴と、「仮面うつ病」による不定愁訴と見分けをつけるのがたいへんむずかしいということです。

うつ病の症状は、体にもあらわれますが、その症状と更年期障害の不定愁訴の症状とをくらべてみると、両者がたいへんよく似ているのです。
このため、更年期障害のせいだと思ってしまい、うつ病であることに気づかず、発見が遅れてしまうことがよくあります。
更年期についてはこちら
体の症状のほうが目立つうつ病のことを「仮面うつ病」といいます。「仮面うつ病」というのは、体の不調ばかりに目がいって、気分の落ち込みなど精神面の症状がその陰になって見えにくいうつ病のことです。

別な言い方をすると、身体症状がメインとなるうつ病ということになります。このうつ病は、軽度のうつ病に多いといわれます。

「仮面うつ病」の人は、精神的な症状の自覚が少ないのですが、よくよく聞いてみると、意欲がわかない、何をするのもおっくうといった精神面の症状を伴っているのがわかります。以下に仮面うつ病の症状をあげてみます。

  • 不眠
  • だるい
  • 疲れる
  • 食欲不振
  • 胃腸が不調
  • 便秘または下痢
  • 頭痛
  • 動悸

仮面うつ病になるのは女性に限ったことではなく、男性にもみられるものですが、更年期障害の症状のために精神面の不調が見すごされることが多いことから、女性には注意を要するうつ病です。

なお、「仮面うつ病」という名前は、正式な診断名ではなく、このタイプのうつ病をわかりやすく説明するのに具合がよいということから使われるようになったものです。

季節性感情障害(季節によって、うつ状態になることも)

比較的若い女性に多くみられるうつ病に「季節性感情障害」(季節性うつ病)と呼ばれるものがあります。季節によって症状があらわれるというもので、特に多いのが秋から冬にかけてうつ状態となり、春から夏にかけて自然とよくなるタイプで、「冬期うつ病」といわれます。

なぜこうしたことが起こるのかということついてはまだわかっていませんが、日照時間との関係があるのではないかと考えられています。

わが国では大都会に生活する人に多くみられるようです。通常のうつ病であれば、不眠や食欲不振といった症状がみられますが、このうつ病では逆で、気分が沈み込み、意欲もなくなる症状に加え、過眠や過食が多くなるのが特徴です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください