自律神経 安定のため さがし物は時間を決めてから

自律神経 安定のため さがし物は時間を決めてから 自律神経を安定させるための時間術
自律神経 安定のため さがし物は時間を決めてから

自律神経 安定のため さがし物は時間を決めてから というのは、時間管理と呼ぶにはあまりに些細なことかもしれませんが、さがし物についてです。「さがし物」は意外とやっかいで、思った以上に時間もとられるし、見つからなければ心のストレスが持続してしまうもの。

結論からいって、さがし物は時間を決めてから行うべきです。普通に生活していれば「あれ、どこにやったっけ?」「あの資料がない!」など、さがし物をしなければならない場面はいくらでも訪れます。
そして、さがしもので疲弊するととても疲れてしまいます。

そこで私たちは必死になってさがすのですが、こんな場面であっても副交感神経を高める(あるいはさげない)意識が必要です。そもそも、何かをさがすとき「どうしよう、どうしよう!」と不安な気持ちいっぱいで動き回ってもロクな結果を生みません。さがし物をするときは、なによりもまず冷静になることが肝心です。

さがし続けるのは非効率

その第一歩が「0時までさがそう」とデッドラインを決めること。とかく私たちは「大事なものだから見つかるまでさがす」という意識(無意識にでもそんなスタンス)でさがしはじめてしまいます。

しかし実際には、3日も4日もさがし続けるわけにはいきません。「見つかるまでさがす」なんて現実的には不可能なのです。ところが、多くの人たちは「何としても見つけなきや!」と自分にプレッシャーをかけ、交感神経が跳ね上がった状態でさがし物を続けます。

これはさまざまな意味で非効率的です。交感神経が高い状態では、血流が悪くなり、脳の働きは低下するので「さがす能力」そのものも決定的にダウンします。
それでも見つかればまだマシですが、結局見つからなかった場合には「副交感だいたいあん神経が下がっている状態で代替案を考える」という最悪の事態が待っています。

物がなくなった時点でかなりイライラしているのに、その後でまともな代替案などさがせるわけがありません。まして、一度下がった副交感神経が回復するのに約3時間かかるので、その日の半分を台無しにしてしまうようなものです。

さがし物は、自律神経にとって意外な大敵なのです。

落としどころを決める

「あれ、○○がない」と気づいた瞬間、まずは「さがし物」という行為そのものの「落としどころ」を決めることが肝心です。さがし物を始める前に、「とにかく15分はひたすらさがす」「見つからなかったら、その時点で代替案を考える」とはっきり決めてしまうのです。

この「決めてしまう」というところが大事なポイント。こうやってアクションとデッドラインが決まってしまえば、安心して、さがし物に集中できます。「必要な物がない」という危機的状況でも、比較的冷静に頭脳を働かせることができます。

そして、これは不思議なことですが、人間の脳というのは「最悪こういう結果になる」と「形」になってしまえば、それだけでひとまず安心できるのです。

つまり、「15分さがして、見つからなければ代替案を考える」という最悪の結果が「形」になっていることが、じつは非常に大事なのです。よく優秀な経営者が、リスクマネジメントについて「とにかく最悪のケースを想定する」と話しています。

なぜ、彼らが最悪のケースを想定するかといえば、それで安心したいからです。起こる事態は最悪でも、それが「形」になり、想定されていれば安心につながります。

さがし物をするときも「見つからなかったらどうしよう」というあいまいな不安のなかにいてはダメ。たとえ最悪のケースでも「2血分さがして見つからなかったら、代替案を考える」という明確な形を想定したほうが、安心してさがし物に没頭できます。それが自律神経を乱さないさがし物のあるべき姿です。

たかがさがし物、されどさがし物。ぜひとも終わりの時間を決めて、最悪のケースを想定してからスタートしてください。

不安材料は「安心できる状況下」で向き合う

ここではあえてさがし物について語ってきましたが、ちょっと視点を変えてみると「何かの解決策を探る」という場面でもまったく同じことがいえます。職場や家庭で問題が発生したときのことを思い出してください。

そんなとき「いい方法が見つかるまで永遠に考える」というのは得策ではありません。すでに述べたとおり、人間の集中力が続くのはせいぜい90分。思考をする「勝負の時間」は午前中。プレッシャーのかかる状況では交感神経が跳ね上がり、脳に十分なブドウ糖が供給されない。これらはすべて人間の体が備えている特性です。その特性にそぐわない形で無理に考えようとしても、効率は下がるばかりです。もし、本当に解決しなければならない問題があるなら、人間の能力が最大限に発揮できる状態を整えてから、議論を開始するべきです。

たとえば、朝9時に必要なメンバーを招集し、「11時半には終える」とデッドラインを決めます。その際、「今日の11時の時点で出ている実のなかから1つ、解決策として採用する」、あるいは「今日のミーティングで解決策が見つからなければ、明日も同じ時間に会議を開く」という具合に「落としどころ」を決めておきます。

そうやって「落としどころ」が決まっていると、人は安心して問題に集中する207ことができます。チームのメンバーが安心していると、自律神経のバランスが整い、それぞれの脳を最大限に活用することができますし、感情的になるのを防ぐこともできます。

ぜひとも、医学的に理にかなったミーティング方法、問題解決の仕方を採用し、効率的に物事を進めてください。いうまでもなく、「解決しなければならない問題がある」というのは大きな不安材料です。しかし、「不安材料がある」のと「不安な状況下で考える」のは、まったく別の詣です。不安材料があるからこそ、できるだけ「安心できる状況」をつくってから、話し合いをスタートさせる。この意識を忘れないでください。

もちろん家族の問題でも同じ。本当に問題を解決したいなら、お互いが好きな音楽でもかけて、「1対2の呼吸」をするなど、ある程度、副交感神経を高めたうえで話し合いを始めてください。

できれば心地よいオープンカフェにでも行って、空を見ながら話し合いができれば最高です。深刻な問題を抱えているときに「ちょっと音楽をかけよう」「オープンカフェにでも行ってみよう」なんて気分にはなかなかなれないでしょうが、医学的な見地からいうならそうやって環境を整えることが非常に大切。それだけの環境を揃え、自律神経のバランスを整えることができれば、問題の半分は解決したようなものです。
自律神経を安定させるための時間術

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