片頭痛の放置は脳が音や光の刺激に過敏となりめまい、耳鳴りが多発

市販の鎮痛剤では治まらない

一般的に頭痛がひどい人で、最も多いのは緊張型頭痛、その次に多いのが片頭痛です。。緊張型頭痛は、首肩から側頭部の筋肉が緊張することによって、顔全体が締めつけられるように痛むのが特徴。いうなれば、体の表面に起こる頭痛です。
これに対し、片頭痛は、片側あるいは両側のこめかみのあたりが脈打つように痛むのが特徴で、頭の奥まった部分に起こる痛みといえます。

片頭痛が起こるしくみは次のとおりです。何らかの原図で脳血管が強く収縮し、その反動で脳血管が急激に拡張すると、血管周囲の三叉神経を刺激して、それに伴って脳血管の周囲に炎症物質がばらまかれます。この炎症情報が大脳に伝えられ、痛みとして認識された結果、片頭痛が起こると考えられているのです。片頭痛が起こったとき、一般には市販の鎮痛薬を使う人が多いと思います。
ところが市販の鎮痛薬の大半は、見かけの痛みだけを取り払い、水面下で起こっている脳の神経細胞の興奮症状は置き去りにされているのです。
また、片頭痛発作のたびに起こる脳血管の周囲の炎症も、放置されたままになっています。
つまり、市販薬を飲んで片面痛が軽くなったとしても、頭の内部には興奮状態が残っているのです。こうした興奮状態を放置すれば、さまざまな弊害が生じてきます。まず片面痛が重症化し、強い痛みが長時問続いたり、発作の回数が増えたりします。そのため、しだいに市販の鎮痛薬を服用する回数や量が増え、薬物乱用頭痛に移行してしまう人が少なくありません。
さらに、脳の神経細胞の興奮症状に伴って脳血管の周囲に炎症物質がばらまかれるびに、脳血管が損傷を受けます。
目に見えない程度の小さな損傷とはいえ、その蓄積が脳の血管壁にダメージを与えます。その結果、動脈硬化(血管の老化)が進み、脳血管がつまってしまう脳腱塞を引き起こすことがわかっています。
つまり、片頭痛の人は脳梗塞を起こしやすいということになるのです。それを裏づける研究報告も発表されています。脳梗塞を起こしやすいのは通常60代とされていますが、片頭痛の人で40代から脳梗塞のリスク(危険性)が高まるのです。

脳の異常な興奮がめまいや耳鳴りを招く

片頭痛の方の中には「頭痛発作時に、めまいや耳鳴りが起こる」「光や音の刺激に対して過敏になった」などと訴える人が多くいます。そうした人の脳波検査を行うと、大脳の後頭葉という部位から前頭葉まで大脳全般が、極端に興奮していることが見て取れます。体の平衡感覚(地面に対して体を垂直に保つバランス感覚)を認識するのは大脳の側頭葉というい部位にあたる聴覚野と呼ばれる部分です。
つまり、後頭葉の異常な輿膏が、小脳や側面葉に影響を及ぼすことで、めまいや耳鳴り、音に対する過剰反応などが生じると考えられるのです。
また、頭痛が起こっているときの脳波は、てんかん(突然けいれんを起こして手足が硬直し、意識を失う発作的病気) の患者さんの波形とよく似ています。
てんかんと比べれば波形の乱れは微弱ですが、光などの刺激で波形の乱れが強くなる点では共通しています。そこで患者さんに抗てんかん薬を飲んでもらいます。抗てんかん薬には、脳の神経細胞の興奮を鎮める作用があり、片頭痛の予防薬としても有効です。患者さんが治りにくい耳鳴りと思い込んでいた頭痛や光に対する過剰反応などがよく改善されます。

その後、頭痛などを誘発していた片頭痛の根本治療を進めます。片頭痛の治療に用いる薬は、発作時の痛みを緩和する即効性の頓服薬(痛むときに飲む薬)と、頭痛の回数を減らす予防薬に大別されます。頓服薬は、痛みの伝わりを断ち切ることで痛みを抑える作用のある消炎鎮痛剤が一般的によく使われますが、近年ではトリプタン製剤(セロトニンに近い構造の成分を持つ薬剤)という、片頭痛を根本から治療し、副作用が少なく安全性の高い薬が処方可能となり、欧米では子供の片頭痛に使われることもあります。
予防には、血管の収縮を抑制する作用のある薬や、片頭痛の発症と問係の深いセロトニン(神経伝達物質の一種)を調整する薬が用いられます。こうした正しい治療を受ければ、片頭痛は治らない病気ではありません。市販薬に頼りすぎず、頭痛専門医に相談することが、片頭痛治療へ第一歩といえるでしょう。

脳が過敏になると人格に影響する前頭葉が常に興奮し、怒りっぽくなる

片頭痛に対して適切な治療を行わないと、たとえ年を取って片頭痛の発作が起こらなくなったとしても、思わぬ症状に悩まされることが多くなります。その症状とは、頑固なめまいや耳鳴り(正しくは頭鳴、性格の変化など。さらにはウツやボケに似た症状まで起こってくるのです。
片頭痛による脳の興奮は、脳幹から左右対称に1本ずつ出ている三叉神経の末端の、脳の血管周囲で始まります。その情報が祝床(感覚中枢がある部位)を経由して大脳に伝わり、痛みとして認識されるのです。ところが、年を取って脳の情報伝達能力が低下すると、脳幹での興奮症状が大脳まで到達せず、Uターンして小脳(体の平衡感覚や運動を支配する部位) に伝わります。

その結果、片頭痛を忘れたころに、めまいや耳鳴りが現れるというわけです。もともと温厚な性格だった人が、年を取ってから顔つきが険しくなり、攻撃的で怒りっぽい性格に変わったという話はよく問きます。こうした性格の変化も、若いころ発症した片頭痛の後遺症である可能性が大きいと思われます。

頑固な耳鳴りやめまいに悩んでいた女性の依頼で、脳の検査を行ったことがあります。MRI(磁気共鳴画像)などによる検査では、特に異常は認められませんでした。次に、脳の各部分からどのような放電(いわゆる情報発信) が起こっているのかを調べる脳波検査を行いました。すると、脳全体があまりにも過敏な状態の波を出していたのです。そこで、この患者さんを光で少し刺激してみると、後頭葉から側頭葉のあたりまでが一気に興零しだすことがわかりました。さらに光刺激を続けると、この過敏な状態は、人格や性格に関係した中枢のある止前頭葉といy部位にまで及ぶことがわかったのです。

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