食品別アドバイス

糖質は主にデンプンで摂取する

エネルギー源になる食品は糖質と脂質で丸ダイエットのときは、この2 つを抑えるのがポイントです。とはいえ、糖質はブドウ糖に分解されて脳のエネルギー源になるので、極端に減らすと問題です。1 日に200~300gを目安にとりましょう。糖質、脂質、たんばく質という三大栄養素のバランスは、摂取エネルギーの55~60%を糖質で、20~25% を脂質、15~20% をたんばく質でとるのが基本です。

油脂類は不飽和脂肪酸を中心に

脂質は単位重量あたり、糖質やたんばく質の倍以上のエネルギーがあるので、とりすぎると血液中の中性脂肪値を上げることになります。
脂質の主要成分である中性脂肪の構成要素である脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2 種類があります。飽和脂肪酸は血液中のコレステロールを上げやすく、不飽和脂肪酸は逆にコレステロールのみならず同時に中性脂肪を下げる作用があります。
そこで、おおまかには飽和脂肪酸1 に対し、不飽和脂肪酸を2の割合でとるようにします。
サラダ油などのほかに、肉や魚に含まれる脂質も含めた量なので注意します。

砂糖は目に見えない分に注意

砂糖は控えめにとるのがポイントですが、よくチェックしたいのが目に見えないところで使われている砂糖です。コーヒーに入れる砂糖などは、量もはっきりとわかりますが、お菓子や清涼飲料水などには思いがけずたくさんの砂糖が使われています。間食としてこれらを飲食していると、かなりのエネルギー過剰になってしまいます。
洋菓子には、砂糖に加えてバターや生クリームがたっぷり使われているので、中性脂肪のみならずコレステロールが高い人も要注意です。高脂血症の人は、できれば間食はやめるか、どうしても食べたいときは、甘味の少ないものを選んでとるようにします。

果物は1日に200g以内に

果物は、動脈硬化を防ぐ働きのあるどタミンCや食物繊維の供給源。生食するので加熱によるどタミンCの損失もなく、すぐれた健康食品です。
しかし、中性脂肪が高い人や肥満の人は、果物の果糖が中性脂肪になりやすいので食べすぎに注意が必要です。ビタミンC や食物繊維は野菜などからしっかりとるようにして、果物は1日に約80kcall、200g(可食部)までに抑えます。200g というと、中ぐらいのグレープフルーツ1 個分、みかん小3個、りんご大1個ほどです。ただし、同じ果物でも種類によって果糖の含有量は異なります。なるべく、柑橘類などエネルギーの低いものを選ぶのがコツです。

肉類は脂肪の少ないものを

肉は重要なたんばく質源で、筋肉や血液、骨などの材料になります。豚肉に含まれるビタミンB1、鶏肉に含まれるビタミンA など、ビタミン類を含んでいることも見逃せません。
肉で注意したいのは、飽和脂肪酸が主体の脂肪が多いことです。エネルギーが高いうえにコレステロールも多く、肉食に偏った食事は高中性脂肪血症をはじめとする生活習慣病の元凶といわれています。牛肉や豚肉はもも肉やヒレ肉などの脂肪の少ない部位を選び、鶏肉は皮を取り除いたり、ささ身を使うなどして脂肪のとりすぎを避けましょう。脂肪を含む肉でも、調理法を工夫すれば上手にカットできます。

魚は1日に1回は食べる

魚は肉と同様、良質のたんばく質源。加えてカルシウムや鉄、カリウム、亜鉛など、健康に不可欠なミネラルが豊富です。また、魚の脂肪は肉と追って不飽和脂肪酸が多く、なかでもEPAやDHAという不飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロールを下げ、血管をサラサラにして動脈硬化を防ぎます。
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このように、健厳に役立つ魚を利用しない手はありません。1日に1 回は食べる習慣が必要です。不飽和脂肪酸が多いのは、イワシやサバ、ブリなどの背の青い魚です。ただし、不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、新鮮なものを選び、すぐに食べるようにします。干物のとりすぎには注意しましょう。
余談ですが、青魚が苦手な人が多いのですが、ニンニクやとうがらしなどの香辛料、レモンなどを使った洋風料理にすると食べやすくなります。

野菜は1日に350gは摂りたい

野菜にはいろいろなどタミンやミネラルが含まれています。そのなかで、ビタミンCやE 、カロチン、食物繊維は、不飽和脂肪酸の酸化を防いだり、糖質の吸収をゆるやかにし、コレステロールの吸収を阻害し、排便を促進し、高中性脂肪血症や動脈硬化の予防に効力を発揮します。
しかも、野菜は低エネルギーなので、食べすぎても太る心配がありません。よいことだらけの野菜ですが、残念なことに不足しがちな食品です。健康のため、1 日に350g(両手に山盛り程度)以上は食べたいものです。このうち、120g をほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜で、残りの230g をきゅうりやキャベツなどの淡色野菜でとります。

牛乳は低脂肪のものを

牛乳は良質のたんばく質や、ビタミンやミネラルが豊富な食品です。日本人に不足しがちのカルシウムの重要な供給源でもあり、1日に200gばはとりたい食品です。ただし、牛乳に含まれる脂肪は意外に多く(200gあたり7.6g )、とりすぎると肥満を招きます。体重オーバーが気になる人は、低エネルギーの低脂肪牛乳や脱脂粉乳を耐用すると安心です。乳製品のなかではチーズや無糖ヨーグルトは問題ありませんが、生クリームやアイスクリームは飽和脂肪酸やコレステロールが多く、エネルギーも高いので避けたほうが無難でしょう。

塩分は1日7g

中性脂肪と塩分は直接的には関係ありません。しかし、動脈硬化の予防を考えると、減塩は現代人には避けられません。塩分をとりすぎると血圧が上がり、高血圧から動脈硬化を引き起こしやすくなります。濃い味付けは、ご飯の食べすぎにつながりやすく、肥満や高中性脂肪血症の引き金にもなりかねません。
高血圧の人のみならず、高中性脂肪血症のある人も、1 日にとる塩分を7g以下に抑えたはうがよいでしょう。特にめん類の汁やみそ汁、スープなどの塩分に気をつけます。また、目に見えない塩分(パン、うどん、そうめんや魚肉の加工品や肉の加工品は意外と高塩分) に注意します。すでに血圧が高い人は、こちらもおすすめです。

お酒は節酒・禁酒を

「酒に十徳あり」といわれるように、適量のお酒は、血行をよくして血圧を下げ、善玉のHDLコレステロールを増やし、ストレスを解消したり食欲を増進させるなど、すぐれた働きをします。
しかし、お酒は中性脂肪を増やしやすい食品。度を超した量を飲んでいると、高中性脂肪血症を招きます。お酒は抑制がききにくく、とかく飲みすぎになりやすいので肝に銘じましょう。中性脂肪値が高い人は、できれば禁酒をしたいものです。どうしても無理なら、ゆっくり時間をかけて飲む、強い酒は薄めて飲む、飲むときはタバコを吸わない、週2日の休肝日を設けるなどして、節酒につとめます。

外食は完食せずに残す

外食の特徴は、ご飯(主食)が多い、揚げ物や妙め物など油脂を使った調理が多い、塩分が多い、野菜が少ない等々、高中性脂肪血症を招く食事そのものです。
まず外食の回数を減らす努力をしたいものです。それが無理であれば、メニューを上手に選択し、外食のマイナス面を補う工夫をしましょう。
外食のときに習慣にしたいのが「残す」こと。外食のご飯やフライ・揚げ物、や天ぶらの衣は、家庭のものと比べると倍以上の量があります。ご飯、衣、肉の脂身、ラーメンやうどんの汁などは、半量あるいは3 分の1を残すだけで、外食のリスクがかなり減らせます。また、単品物より定食物を選ぶのも大切なポイント。
3食外食という人でも朝食だけは手作りするとだいぶ違います。