おなかの脂肪は悪性のケースが多い

余った脂肪は脂肪細胞にどんどんたまる

血中の中性脂肪ばかりに関心がいきがちですが、皮下の組織についた中性脂肪を忘れてはいけません。体内で合成された中性脂肪のうち、エネルギーとして使われなかった分は肝臓、腹腔内の内臓周囲の脂肪組織、皮下脂肪などに蓄積されます。
摂取したエネルギーはまず肝臓でグリコーゲンとして蓄えられますが、肝臓の貯蔵タンクがいっぱいになると、中性脂肪に姿を変えて内臓周囲の脂肪組織や皮下の脂肪細胞に蓄えられるのです。
脂肪細胞の数は成人で250億から300億個。大人になってから数が増えることはありませんが、大きさは何倍にも膨らむことが可能です。このため、エネルギーが余るような生活を続けていると、中性脂肪として際限なく脂肪細胞に蓄えられてしまいます。中性脂肪がつきやすいのは、お腹や二の腕、お尻など。ベルトや上着のボタンがきつくなったら要注意。特に、お腹や内臓周囲に中性脂肪がたまると、糖尿病や高血圧などを合併しやすくなります。その意味で、お腹についた脂肪は「悪性」肥満の証しといえます。

肥満は体内の脂肪が過剰である証拠

このように中性脂肪が体内で過剰に蓄えられた状態を医学的に肥満といいます。もちろん一般的には標準体重などから肥満度を出しますが、正確には体内の脂肪の量が問題になります。ですから、たとえ体重が重くても脂肪の量が基準内なら肥満とはいいません。スポーツ選手などは体重があっても筋肉が多く、脂肪は少ないものです。逆に、体重はそんなに重くないのに、脂肪が多くて肥満という場合もあります。

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