頭痛を誘発しやすい場所があり、脳を強刺激する映画館、カラオケ、デパートは注意

外からの刺激には注意

人は外部から強い刺激を受けることでも、脳の血管が過度に拡張することがわかっています。片頭痛持ちの人は、このような刺激のある場所に近づかないこと、もし、立ち入ったときには長く滞在しないことがポイントです

では、片頭痛の発作を招きやすいのはどのような場所なのでしょう?
まず、身近なところでは浴室です。湯船に漬かると、体が温まるにつれて血管は広がっていきます。特に、熱いお風呂を好む人は要注意。浴室の気温との温度差が大きいほど血管の急激な拡張を招き、頭痛が起こりやすくなるからです。
入浴後は決まって頭痛が起きる人は、ぬるめのお湯でゆったり半身浴をするといいでしょう。
ぬるめのお湯につかり、ゆっくりと体を温めるほうがいいでしょう。特に片頭痛の発作が起こりやすい季節の変わりめなどは、入浴せずにシャワーだけですませることをおすすめします。

次に、標高の高い場所や満員電車などの人込み。こうした酸素の薄い場所に長時問いると、酸素を取り込もうとして脳の血管が広がるために、痛みが生じやすいのです。車の排気ガスに含まれる一酸化炭素や二酸化炭素も、脳の血管を拡張させる作用があります。片頭痛持ちの人は、排気ガスに満ちた街中や幹線道路などは、意識的にさけるようにしましょう。

そのほか、強い日差しや蛍光灯などの光の点滅、大昔鰍琶悪臭なども脳を刺激するので、片頭痛の発作が起こりやすくなります。以下、そのような脳を強く刺激し、画痛を招きやすい場所を具体的に紹介しましょう。

外出先を選ぶ

映画館

暗い館内でスクリーンの映像を見るため、その光で脱が強く刺激されます。館内の音響設備から流れる大音量のBGM(背景音楽)や迫力のある効果音も脳を刺激するので、頭痛を招きやすくなります。

パチンコ店

今でも喫煙できる店がほとんどで、店内にはタバコの煙が充満しています。タバコそのものが頭痛を招く原因になりますが、タバコを吸わない人でも、そのにおいに反応して、頭痛が起こりやすくなります。加えて、店内に流れる大音量のBGMや店内放送、パチンコ玉のジャラジャラとした凝青も脳を刺激します。

カラオケボックス

パチンコ店と同じように、カラオケボックスも室内の空気はよくありません。ほかの客のタバコの煙、飲食物のにおいが壁やソファーにこびりついて残っているからです。大音量のカラオケや歌声、薄暗い室内のテレビにまぶしく映し出される映像なども、片頭痛持ちの人の大敵といえるでしょう。

デパート

香水売り場や食品売り場では、さまざまな種類のにおいが脳を刺激します。また、バーゲン会場などのように、人でごったがえしていて、酸素が薄く息苦しさを感じるような売り場もさけたほうがいいでしょう。

このほかにも光や音の刺激の強い花火大会やコンサート会場、日差しの照り返しの強い夏の海辺や冬のスキー会場も脳を強く刺激します。頭痛が起こりやすいので片頭痛の人は避けるようにしたほうがいいでしょう。


こめかみがズキンズキンと痛む場合は「片頭痛」で週末や季節の変わり目、発熱時に注意する

首筋、肩のこりも前兆である場合が多い

片頭痛は、頭の片側(右か左。あるいは両側で、右左の差あり) のこめかみのあたりが、脈拍に合わせてズキンズキンと痛むのが特徴。そうした発作が週末や季節の変わりめなどに月1〜2回、多い人で週1~2回起こります。

頭痛は女性に多く、片頭痛の患者さんの8潮は女性という研究もあります。これは女性ホルモンと密接な問係があると考えられています。片頭痛では、吐き気や嘔吐を伴うことがよくあります。大きい昔や光・振動にも敏感になり、そうした場所にいると痛みがひどくなります。片頭痛には、発作の前ぶれ症状が起こる場合があり、よく知られているのは閃輝暗点といって、日Hの前に星や光が現れ、チカチカする症状。
これは、脳の血管が収縮し、一時的に脳の血流量が減少することで起こります。生あくび、首すじや肩のこり、なんとなくわかる不定の予知感などが現れることもあります。

こりなどの場合、頭痛が始まる30分~2時間前から徐々にこってきて、最終的に頭痛が起こります。脈拍に合わせて痛むことでもわかるように、片頭痛は南部の血管が拡張し、そのまわりの神経を刺激することで起こります。
そのため、風邪を引いて発熱したときにも起こりやすくなります。

血管がなぜ拡張するのかはまだ明らかになっていませんが、次のような説が考えられます。脳の血管は常に収縮・拡張をくり返していますが、この調節をするのがセロトニンという神経伝達物質。セロトニンがなんらかの原因で大量に放出されると血管は収縮し、脳の血液量が減ります。しかし、セロトニンが出尽くすと今度はその反動で血管が急に拡張し、痛みが起こるのです。

さらに女性ホルモンのエストロゲンにも、セロトニンの放出を促す働きがあります。エストロゲンは月経のときに分泌が減るため、セロトニンも減って脳血管の拡張を助長(ある傾向をさらに著しくすること)します。そして、これらの現象は、三叉神経(脳幹から枝分かれし、顔面に分布している神経)に混在する自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する神経) の末端から発病物質が放出され最終的にはセロトニンを減少させ、脳の血管が拡張して痛みが現れるというわけです。

片頭痛の日常的な対策としては、血管が拡張しやすい条件( ストレスからの急な解放、人込み、光の強い場所など)をさけましょう。そして頭痛が起こつたら、こめかみを指で押したり、氷で冷やしたりして安静にすること。それでも治らなければ、病院で消炎鎮痛剤や抗セロトニン作動薬(トリブタン製剤など)を処方してもらうのが効果的です。

片頭痛は発作のたびに脳血管を痛めるため、若くても脳梗塞の危険が高まる

発作を抑えることが大切

片顔痛(片頭痛の特徴や原因はこちら)の特徴の1つとして、発作の直前に目の前がチカチカしたり、ギザギザした物が見えたりする(閃輝暗点という)など、視覚前兆を伴う場合があります。

片顛痛の人に特に注意してほしいのが、この視覚面兆です。オランダで行われた研究で、片頭痛患者は脳梗塞のリスクの危険度)が高い、という結果が出ました。片頭痛の中でも発作が1ヶ月に1~2回以上と頻繁に起こり、しかも問輝陪点などの前兆を認める人は、頭痛のない人に比べて、後頭部に脳梗塞の現れる頻度が約柑倍も高かったと報告されています。

また、片頭痛持ちの人の3% が、年問180日(約半年)以上にわたって痛む慢性薗痛に移行したり、ボケ(認知症)を招いたりすることも明らかにされました。一方で、英国の研究では、トリプタンという薬を服用して片顔痛の発作を抑えれば、脳梗塞のリスクを高めずにすむと報告されています。正しい治療を行えば、脳梗塞の危険を抑えることもできるのです。

週末に発作を起こす人が多い

片頭痛の原因については、今のところ、三叉神経(顔面の知覚を脳に伝える神経) が密接に関係しているという考え方が最有力視されています。

片頭痛の発作を招くのは、心身のストレス、気候・天候の変化、女性ホルモンの変化、さらには寝不足や寝すぎ、特定の食品など。こうした誘因によって、血液中の血小板からセロトニンという神経伝達物質が大量に放出されると、脳血管は収縮します。
セロトニンは、脳内の血流量を一定に保つように調整する働きをしています。ところが、セロトニンが出っくしてしまうと、今度は脳血管が急に拡張します。その刺激によって血管周囲にある三叉神経の末端から炎症物質が出て、脳の血管壁が炎症、ま(急性の激しい痛み・発熱・膵れなど)を起こすのです。
同時に、急激に拡張した血管によって、まわりの三叉神経が圧迫されて痛みが大脳に伝えられます。その結果として片面痛が現れるという考え方が、現在、専門医の問で支持されています。発作が起こりやすいのは、ストレスを強く受けているときよりも、緊張から解放されて血管が急に拡張したとき週末に痛みだす人が多いのはそのためです。

脳の興奮状態が血管を傷つけてしまう

片頭痛が起こるたびに、脳の神経細胞は興奮状態になります。それに伴って脳血管の周囲に炎症物質がばらまかれるため、肉眼では見えない程度ながらも脳血管が損傷を受けてしまいます。毎回の小さな炎症を放置すれば、その蓄積が脳の血管壁に損傷を与え、脳血管がつまってしまう、すなわち脳梗塞を引き起こします。
つまった血管の周囲の脳も損傷しやすいため、ボケを招くリスクも高くなるのです。
しかも、一般に脳梗塞を起こしやすいのは60代とされていますが、片頭痛持ちの人は40代から脳梗塞のリスクが高まるという研究報告もあります。最近では、若いころ片頭痛に悩まされていた人が、年を取るにつれて頭痛は収まったものの、耳鳴り(頭鳴という)やめまいなどの症状に移行していくというケースが急増しています。
これは、片頭痛を放置した結果、脳の神経細胞の興奮状態が慢性化してしまったもの。耳鳴りは聴覚の異常が原因だと勘違いして、耳鼻科を受診する人がいますが、実際の原因は脳の興奮状態にあるのです。

このように、片頭痛は見過ごすことのできない危険な病気です。頭痛専門医のいる病医院で検査・治療を受けるようにしてください。