性格とうつの関係性

精神的な健康をためていくためには自分がどういう人間かをそれないりに知って、その持ち味を生かしながら具体的な問題に取り組んでいくことが大事です。

「私はうつ病になりやすい性格らしいのですが、これを変えることはできないのでしょうか」という相談を受けることがありますが、そもそも、うつ病になりやすい性格というものはあるのでしょうか。

ドイツの精神科医フベルトゥス・テレンバッハは、1961 年に出版した著書のなかで、「メランコリー親和型性格(うつ病に親和性のあるきんべんせき性格)」として、まじめで勤勉、責任感が強く、秩序やルールを大事にし、誠実で道徳心が高い、などを指摘しています。

また、日本絹神科医の下田医師はそれより30年ほど前に「執着性格」の人が操うつ病(現在は双極性障害と呼ばれているものですが、実際に研究に協力した人たちの大半はうつ病でした) になりやすく、特徴として、仕事熱心、凝り性、正直、几帳面、正義感が強い、などとしています。

ただ、結論からいうと、性格を変えようという考え方は、基本的にはおすすめできません。なぜならば、性格はそう簡単に変えられるものではありませんし、「こんな性格がうつになりやすい」というよりも、性格と環境の相互作用が「うつのなりやすさ」に大きく関与していることが、最近の研究でわかってきたからです。

たとえば、人間関係のこじれは、うつを引き起こしやすい誘因のひとつですが、とくに人づきあいをだいじにするタイプの人は、自分の意見がみんなに反対されたりすると強いストレスを感じます。

いっぼう、どんどん新しいことに挑戦していくようなタイプの人は、人間関係上の多少の摩擦は平気でも、自分が情熱をそそいだ仕事がうまくいかないと、まわりがびっくりするほど落ち込んだりします。

まず、自分の性格を受け入れて、だいじにする。そして、自分が力を発揮できる状況や、逆にストレスやプレッシャーを受けやすい環境を、少しずつでも把握していきながら、いま自分が直面している具体的な課題にひとつひとつていねいに向き合っふせていく。
そういうスタンスが、うつを防ぐという意味でも大きなポイントになります。

性格的にがんばりすぎる人ほど、むりをしてストレスをため込んでしまい、その結果うつを発症するというケースは多いのですが、そのきっかけとなるのは、昇進や退職、結婚や離婚などといった、大きな環境の変化です。

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