うつ状態とうつ病

普段の生活で私たちが感じる軽い気分の落ち込みと病気としてのうつは本質的には区別することができません。
このことには非常に大事な意味が含まれています。

うつ病、うつ状態、抑うつ状態、抑うつ感、うつ的な気分など…。単に「うつ」といういい方もあります。それがよくわからない、混乱するという人もいます。

「うつ状態」というのは、気分が沈み込んだ状態を表すことばです。普通に暮らしている人がなにか失敗をして落ち込んでいるのも、うつ病の人がなにもやる気が起こらなくて沈んでいるのも「うつ状態」です。

不安障害の人や統合失調症の人が自信をなくしてふさぎこんでいれば、それも「うつ状態」と表現できます。抑うつ状態、抑うつ感、うつ的な気分なども、ほぼ同じ意味と考えてかまいません。

一方「うつ病」ということばは、うつ状態を中心とする症状があって、本人がとても苦しい思いをしたり、仕事や暮らしに具体的な支障があったりするときに、治療が必要な病気だという意味で使われます。

ロバート・プロ主ンという学者が行った双生児を対象にした実証的な研究によれば、私たちが日常的に経験するような軽い気分の落ち込みから、病気と認められるほどの強い抑うつ感までは、連続的に変化していて明確な境界線を引くことができなかったといいます。

この科学的な事実は、私たちに2つのことを教えてくれます。ひとつは、うつ病の治療では、いっぺんによくなろうとするのではなく、いま因っている具体的な問題をひとつひとつ解決しながら、少しずつ症状を改善していくようにしようということです。

うつ病の気になる症状や問題をすべて解消することはなかなかできませんから、「病気か、治ったか」という二者択一的な発想が強すきると、、かえって自分を追い詰めてしまいがちなのです。

もうひとつは、これからうつ病の治療ということだけでなく、私たちがふだん出会うちょっとした気分の沈み込みをコントロールする知恵としても、応用できる部分が多いということです。

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