職場におけるうつ病

企業で働く人たちのうつ病も増えています。個人の心がけだけで解決する問題ではなく、精神的な健康に配慮する、職場としての取り組みが必要です。

会社におけるうつ病の調査で次のような数字が明らかになりました。上場企業282社のうち約半数(49%)が「最近社内で「精神疾患に悩む人」が増えている」と答え、なかでも72%と圧倒的に多かったのがうつ病でした。

また、59%もの企業で、精神疾患のために1ヶ月以上休業している職員がいるといいます。精神科の産業医というのは、企業の健康管理室や診療所などで、働く人たちの精神的な不調やトラブルについての相談に応じるのがおもな仕事になります。

そういう経験を通じて、いまの日本において、企業で働く人たちの精神的な健康、とくにうつ病への取り組みがいっそう重要になつてきていると感じています。

まず、企業で働く人自身が、自分の精神的な健康をどうやって維持ていくかということです。相次ぐリストラや、成果主義や能力主義の導入など、働く人たちへのきびしいプレッシャーが強くなっています。

そんななかで自分を守っていくためには、会社のいうとおりにがんばるばかりではなく、疲れたなとか、最近つらいなと感じたときには、ちょっと自分を振り返って、気分転換の工夫をしたり、思い切って休んだりという「自分への気づかい」がいままで以上にたいせつになつてきます。

もうひとつは、あなたが管理職になってスタッフを待ったときの問題です。最近は多くの企業が、職員の精神的な健康についてかなり敏感になってきています。

管理職としてのあなたも、ただ「がんばれ!」と部下を追い立てるのではなく、スタッフの精神的な健康に目を配り、話し合いの時間をつくつたり、精神的な不調が心配される人には専門医へのいどう相談をすすめたり、場合によっては仕事の配分調整や職場の異動なども考えていくというような配慮や工夫が必要になってくるでしょう。

企業や団体で働く人にとって、心の健康の問題は、個人の努力や心がけでどうにかなることばかりではありません。仕事に取り組むだれもが、はっき自分の持ち味と健康状態に応じて気持ちよく力を発揮し、不安や危険を感じずに働けるような環境づくりが求められています。

うつ病の労災認定も増えている
最近、うつ病をはじめとする精神的な不調に関する労災申請が急増し、認定されるケースも大幅に増えています。以前は、精神的な問題については個人的な要因とみなされる傾向が強かったのですが、近年、仕事の与える精神・心理面への影響がより重視されるようになっています。
また、うつ病を背景とした過労自殺について、企業の責任を認める裁判結果もみられるようになってきました。

そういった判決の背景には、企業は働く人の心身の健康状態に応じて、より適切な労働環境の整備や業務の調節を行うべきだ(安全配慮義務、健康配慮義務) という考え方があります。世の中の全般的な流れとして、このような考え方がより強くなってきています。

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