人前に出ると極度に緊張してしまう「社会不安障害」

「社会不安障害」は、人前で何かをしたり、誰かとコミュニケーションをとるような状況に強い不安や恐怖を抱き、結果として日常生活に支障を来してしまう病気です。「性格だから仕方ない…」と片づけられがちですが、最近は、適切な「薬物療法」や「認知行動療法」で、症状を改善することが可能になっています。

周囲からの評価や噂に極度の緊張や不安感がある

社会不安障害(社会恐怖)」は、注目を浴びるような行動に強い不安や恐怖を感じる病気です。周囲の人から悪い評価を受けるかもしれないと強い恐怖や不安感を感じ、発汗や震えなどの身体症状もしばしば伴います。そのために、そうした場面を避けるようになり、日常生活に支障を来しがちです。
社会不安障害があると、学校や職場などのさまざまな社会生活において不安を感じるようになります。そのため、引きこもりになつたり、「うつ病」や「アルコール依存症」を併発するケースもあります。日本では、従来から「対人恐怖」が知られていますが、社会不安障害は、対人恐怖と共通する点の多い病気です。さまざまな調査結果から、人口の約1割の人が、生涯に一度は社会不安障害を経験するという報告があります。

対人恐怖症の症状、原因、治療についてはこちら

社会不安障害で感じる恐怖

社会不安障害で感じる恐怖は、「不安を引き起こす状況」に対する恐怖や「不安によって体に現れる症状」に対する恐怖などによって分類されます。主なものは次のとおりです。

  • 視線恐怖
    他人に見つめられることを恐れます。
  • 赤面恐怖
    人前で顔が赤くなつたり、顔がほてることを恐れます。
  • スピーチ恐怖
    人前でスピーチをしたり、発言することを恐れます。
  • 電話恐怖
    電話で応対することを恐れます。
  • 会食恐怖
    人前で食事をすることを恐れます。
  • 震え恐怖
    人前で手や声が震えることを恐れます。特に、人前で文字を書くときに手が震えることを恐れるのを「書痙」といいます。
  • 自己視線恐怖
    自分の視線が人に不快感を与えているのではないかと思い、人と視線が合う状況を恐れます。社会不安障害で感じる恐怖には、このほかにも数多くの種類があります。自分の感じている恐怖や不安が行きすぎたものであることはわかっています。しかし、そう理解していても、恐怖や不安を抑えることができないのです。

社会不安障害の診断基準4項目

  1. この1ヶ月間に、人から見られたり、注目を浴びたりすることに恐怖や戸惑いを感じたり、恥をかきそうな状況に恐怖感や不安感を感じましたか?
  2. その恐怖は、自分でも怖がりすぎているとか、常軌を逸していると感じていますか?
  3. その状況は、わざわざ避けたり、じっと我慢しなければならないほど怖いものですか?
  4. その恐怖により、あなたの通常の仕事や社会生活が妨げられていたり、それにより我慢できないほどの苦痛を感じていますか?

治療その1「薬物療法」「SSRI」などの薬が用いられる

社会不安障害の診断基準は、4 項目から成ります。この4項目すべてに当てはまる場合に、社会不安障害であると診断されます。

治療の第一選択は薬による治療

精神科などで、社会不安障害であると診断されたら、基本的には薬物療法が行われます。まず使われるのは、抗うつ薬の「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」です。不安障害の治療全般に使われますが、社会不安障害に対しても、半数以上のケースで有効とされています。
数週間で効果が現れますが、社会不安障害の治療には、ある程度の期間のみ続ける必要があります。SSRIが効かない場合や、副作用が出て続けられない場合には、抗不安薬の「クロナゼパム」などが使われます。こちらも高い効果があります。また、動悸などの身体症状が現れたときには、高血圧の治療などに使われる「β遮断薬」を頓服として用いることがあります。

高血圧の治療に使われるβ遮断薬についてはこちら

治療その2「認知行動療法」いびつになってしまっている思考を調整する

薬物療法で十分な治療効果が得られない場合などは、「認知行動療法」が行われます。薬物療法と並行して行われる場合もあります。
社会不安障害の患者さんは、何らかの社会的状況に直面したときに、「私はほかの人に受け入れてもらえない」「自分が赤面していることを周囲に気づかれている」というように考えます。その結果、恥をかくと思い込み、適切な行動がとれなくなってしまうのです。認知行動療法は、このような考え方のゆがみを正すことから始めます。

「思考記録」で客観的な見方を身につける

  1. 状況/不安や恐怖を覚えた状況を記録します。
  2. 気分/生じた感情を記録し、それがどの程度の強さだったのかを数字で表します。
  3. 自動思考/当初、それをどう受け止めたかを記録します。
  4. 適切的思考/その状況に対して、ほかのもっと合理的な受け止め方を考えて、記入します。
  5. 気分の変化/適応的思考によって、当初の気分がどのように変化したかを数字で表します。

このように、患者さん自身が不安な状況を振り返ることで、自分の偏った受け止め方や対処法に気づき、それを自分自身で修正していくトレーニングになるのです。
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