急増する大腸がんは40代からが要注意

最近、日本での大腸がんによる死亡率は上昇を続けています。日本人の50%が腸ストレスを感じているにあるように特に現代人は腸へのストレスをかかえています。
大腸がんの増加の背景にはさまざまな要因がありますが、特に食生活などの生活習慣が、深く関係していると考えられています。大腸がんの発生の危険因子を知り、バランスのよい食事と適度な運動が大切です。

急増するう大腸がん患者数は10万人以上。約6割は直腸とS状結腸にできる

大腸がんは、かつて日本人には少ないがんでした。しかし、1950年代から男女ともに増加が目立ち、大腸がんによる死亡率は、ここ数年間で男性は約7倍、女性は約6倍にも増えています。現在、大腸がんの患者数は10万人を超えており、今後ますます増えるだろうと予想されています。

大腸の構造とがんの発生率

大腸は、小腸から続く臓器で、小腸に近い部分から、「盲腸」「上行結腸」「横行結腸」「下行結腸」「S状結腸」「直腸」に分けられます(。長さは1.5~2 mほどあり、水分の吸収と便をためることが主な役割です。大腸がんは、がんが大腸のどの部位に発生するかによって分類され、その部位によってがんの発がん生率が異なります。がんの発生率は、盲腸が約5% 、上行結腸が約18% 、横行結腸が約12%、下行結腸が約5% 、S状結腸が約30%、直腸が約30%となっています。
つまり、大腸がんの約6割が、S状結腸と直腸に発生していることになります。S状結腸と直腸は、肛門に近く、便が長時間蓄積されるところです。便の中に発がん物質が含まれていた場合、S状結腸と直腸の粘膜は発がん物質に長時間さらされてしまいます。このことが、S状結腸と直腸にがんが多い原因とされています。

腸

ガンの種類

大腸がんは、発生のしかたにより、次のような2つのタイプに分けられます。

  • ポリープ
    大腸の粘膜表面にできる、いぼのような膨らみです。最初は良性ですが、大きくなるにつれ、一部ががん化してくるタイプです。
  • デノボガン
    ポリープと違い、平坦だったりへこんだりしています。最初から悪性で、進行が速いと考えられています。

大腸がんの危険因子は食事をはじめとした生活習慣

動物性脂肪のとりすぎが大きな要因

大腸がんは、さまざまな要因で発生しますが、なかでも肉類などに含まれる動物性脂肪のとりすぎは、大腸がんの発生と密接なかかわりがあるとされています。日本で大腸がんが増加している背景にも、食生活の欧米化により、動物性脂肪の摂取量が増加したことが、深くかかわっているといわれています。
その理由として、次のようなことが推測されています。肉類などに含まれる動物性脂肪が小腸などで消化・吸収される際には、肝臓でつくられた「胆汁酸」が働きます。胆汁酸は、大腸に入ると「悪玉菌」などの腸内細菌によって分解され、「2次胆汁酸」になります。この2次胆汁酸の中に発がん物質が含まれており、それが大腸の粘膜に接触することで、がんが発生する可能性が高まると考えられています。
胆汁酸は、摂取した動物性脂肪に見合った量がつくられます。動物性脂肪の摂取が多くなると、大腸の粘膜が発がん物質にさらされる頻度が高まり、発がんの危険性が高まってしまうのです。

それ以外の要因

大腸がんの発生には、アルコール飲料のとりすぎも関係していることがわかっています。アルコールそのものではなく、アルコールが分解されてできた物質が血液中に増えることが、大腸がんなどの発生の要因になると考えられています。
精神的・肉体的なストレスも、大腸がんを招く要因の1つにあげられています。過度のストレスを受けると、異物から体を守る免疫の働きが低下します。それが、がんの発生を招くと考えられているのです。また、肥満を促進するような生活習慣も、がんの危険因子です。特に運動不足は、結腸がんに大きくかかわることがわかっています。加齢は、大腸がんに限らず、がん全体の危険因子の1つです。年をとるごとに、大腸がんの発生率は高くなります。

大腸がんメモ

S状結腸と直腸は、便が長時間蓄積される場所。便に発がん物質が含まれていた場合、粘膜が発がん物質と接する時間が長くなるため、がんが発生しやすいと考えられる。

大腸がんを予防する

運動で腸の働きを活発にする

適度な運動は、結腸がんが発生する危険性を下げることがわかっています。運動すると、腸の働きが活発になつて便の排出が促され、大腸の粘膜が発がん物質にさらされる時間が短くなります。また、ストレスの解消にも効果があり、免疫力が高まるともいわれています。

食習慣の見直し

動物性脂肪やアルコール飲料は控えめにして、多くの種類の食品をバランスよく食べましょう。食物繊維の摂取量が極端に少ないと、大腸がんが発生する危険性が高まることがわかっています。ただし、たくさんとっても大腸がんの発生を完全に予防できるわけではありません。腸内細菌のバランスを整え腸の働きをよくするには、ヨーグルトなど乳酸菌類を含む食品をとりましょう。緑黄色野菜は、がんの発生を抑えるといわれる抗酸化物質を多く含んでおり、予防効果が期待できます。大腸がんの予防には、これらのポイントを押さえ、少しでも危険因子を減らすことが大切です。

  • 食物繊維、乳製品、緑黄色野菜を積極的にとる
  • 動物性脂肪やアルコール飲料をとりすぎない
  • 適度な運動

大腸がんの早期発見にはやっぱり「検査」

大腸がんは、早期に発見すれば治しやすいがんだといわれています。しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、見逃してしまうことも少なくありません。早期に発見するためには、40歳を過ぎたら1年に1回は「便潜血検査」を受け、50歳を過ぎたら便潜血検査のほかに、「大腸内視鏡検査」なども受けておくとよいでしょう。

30歳代~50歳代は、どうしても仕事が忙しくなったり、ようやく成果も伴っておもしろい時期である人が多く検査なども後回しにされがちです。当然、仕事も大切ですが、体もホントはそれ以上に大切なのです。時間がなくていつもイライラしてしまう人は、自分でできる!病院に行かずに行う大腸ガン検査キットなどで簡易検査をしておくことをおすすめします。これは検査キットが送られてくるのでそれを送り返すと検査データがメールや郵送で受信できるシステムです。
最近の病院は、予約をとっても2時間、3時間待ちが多く、忙しいビジネスパーソンにはそれだけで行く気が失せてしまいます。検査キットなら時間をとられる必要もないので安心です。
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ガンが進行すると便潜血などの症状が出る

大腸は、全体の長さが1.5~2mほどあります。そのため、がんが発生した部位によって、現れる症状が異なります。

便秘・下痢を繰り返す

S状結腸や直腸といった、肛門に近い部位にがんができると、便の通り道である腸管の中が狭くなり、便が通りにくくなります。そのため、便が細くなつたり、「便秘」になったりします。一方で、がんで狭くなった腸管から何とか便を押し出そうとして、大腸の働きが活発になり、「下噺」になることもあります。このような理由により、S状結腸や直腸にがんができると、便秘と下痢を繰り返す「便通異常」が起こりますまた、便秘のためにおなかが張り、「膨満感」を覚えることもあります。さらに、便秘がひどくなってくると、「腸閉塞」を招くこともあります。

それ以外の症状

  • 血便・下血
    下行結腸やS状結腸、直腸にがんができると、便が通過する際にがんの表面がこすられて、出血します。そのため、便に血液が混じる「血便」や、排便後に出血する「下血」が起こります。特に直腸がんでは、血便や下血がみられることがあります。これらは、痔の症状と似ており、放置されることがあるので注意が必要です。一方、盲腸や上行結腸などの肛門から離れた部位にがんが発生した場合、出血しても肉眼ではわかりづらく、自分ではほとんど気づきません。
  • 貧血
    がんから出血し、便の中に血液が流出すると、「貧血」の症状が現れます。ただし、これらの症状は、がんがある程度大きくならないと現れません。早期の大腸がんには、自覚症状はほとんどないと考えたほうがよいでしょう。また、進行したがんでも、貧血や便秘などに、気づかないこともあります。大腸がんは、早期がんの段階で治療をすれば、ほぼ完治します。自覚症状がないうちから、検査を受けることが大切です。

早期発見のためには3つの検査

大腸がんを早期に発見するための検査には、次の3つがあります。

  1. 便潜血検査
    便の一部を採取し、便中に血液の成分が含まれていないかどうかを調べる検査です。通常は2日分の便を調べます。食事などの制限もなく、簡単に受けることができます。検査結果は、便中に血液が混じっていれば「陽性」、血液が混じっていなければ「陰性」と示されます。この検査で、進行がんのほとんどは発見が可能です。
    しかし、早期がんはすべて見つけられるわけではなく、見逃される場合もあります。また、この検査は、「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」、痔など、がん以外の出血にも反応することがあります。便潜血検査は、自治体や企業の検診などで広く行われています。40歳を過ぎたら、1年に1回は受たほうがいいでしょう。
  2. 注腸造影検査
    肛門からバリウムを注入後、空気を送って大腸を膨らませ、エックス線撮影を行います。ポリープやがんを見つけたり、大腸の狭窄の程度を調べることができます。現在の精度では、3ミリ程度の小さなポリープやがんを発見することも可能です。
    ただし、S状結腸が長い人は、その部分が重々って写るため、部位によっては見逃されることもあります。また、小腸と重なるように写る盲腸でも、がんが見落とされることがあります。この検査を受けるときは、数日前から食事制限をして、さらに下剤を使い、便をすべて出し切っておく必要があります。
  3. 大腸内視鏡検査
    肛門から内視鏡を挿入して大腸内を直接調べる、非常に精度の高い検査です。大腸の粘膜の様子が、細かいところまでモニター画面に映し出され、大腸全体を詳しく観察できます。
    また、検査と同時に、その場でポリープや小さながんを切除することもできます。検査を受ける際は、あらかじめ便を完全に出しておく必要があるので、下剤をのまなければなりません。便秘がある人は、事前に食事制限が行われることもあります。検査時間は10~30分程度で、ポリープなどを切除する場合には、もう少し時間がかかります。大腸の長さなどによっても検査時間は異なります。また、検査中に大腸が引っ張られるため、痛みを伴うこともあります。便潜血検査の結果が陽性で、詳しく調べるために注腸造影検査や大腸内視鏡検査を受ける場合には健康保険が適用されます。消化器の専門医がいる病院で行った方がいいでしょう。

手術が必要とされた場合にガンの進行度を調べる

大腸がんの疑いがある場合、内視鏡で病変の一部、またはすべてを切除して組織を調べます。それによって大腸がんと診断され、手術をすることが決まったら、がんの進行度を詳しく調べるために、さらに次のような検査が行われます。

  • 胸部エックス線検査
    肺などへの転移の有無を確認します。
  • 腹部超音波検査
    肝臓やリンパ節などへの転移があるかどうかを調べます。
  • CT検査
    大腸がんの検査では、一般に胸から腹、骨盤までを、造影剤を用いて撮影します。肝臓や肺、大きなリンパ節などへの転移の有無をチェックします。
  • MRI検査
    必ず行われる検査ではありませんが、直腸がんなどの場合、膀胱、子宮などの周囲の臓器への浸潤の有無や程度を調べるときに行われます。

手術による治療

最近では、医療技術の進歩によって、体への負担が少ない大腸がんの手術が一般的になり、治療法の選択の幅も広がりました。大腸がんと診断された場合は、医師とよく話し合って、手術後も生活の質が保てるように、適切な治療法を選択します。

手術前の検査

大腸がんが発見された場合、治療法を検討するうえで重要なのが、がんの進行度です。進行度を調べるには、まずは大腸を詳しく調べる「注腸造影検査」や「大腸内視鏡検査」が必要です。さらに、がんの転移の有無を調べるために、「胸部エックス線検査」や「腹部超音波渡検査」、「CT検査」、「MRI検査」なども行われます。

大腸がんの進行度

大腸壁は、内側から「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」「漿膜」の4層構造になっています。大腸がんは粘膜から発生しますが、がんが大腸壁のどの探さにまで達しているのか、また、リンパ節やほかの臓器への転移があるのかによって、次のように分類されます。

  • 0期
    がんが粘膜内にとどまっている、いちばん初期のガン。
  • Ⅰ期
    がんが粘膜下層、または固有筋層にとどまっていて、転移のない状態です。
  • Ⅱ期
    がんが大腸の固有筋層を越えていたり、漿膜まで達している状態です。
  • Ⅲ期
    がんの深さにかかわらず、リンパ節へ転移している状態です。転移は、がんがリンパ液や血液の流れに乗ることで起こってきます。
  • Ⅳ期
    がんが肝臓や肺などの臓器へ転移していたり、腹部を覆っている腹膜に散らばって転移はしゅしている状態(腹膜播種) です。

体への負担が少ない手術式が増えている

以前は、大腸がんは早期でも「開腹手術」が一般的でした。しかし最近では、医療技術の進歩により、大きく開腹せずにがんを切除できる、体への負担が少ない手術が行われるようになっています。

内視鏡的手術

がんが粘膜にとどまっている場合、あるいは粘膜下層のごく浅い部位にとどまっている場合に行われます。次のような2つの方法があります。

  • ポリペクトミー
    ポリープのように盛り上がった形のがんの場合は、内視鏡から出たワイヤーをがんにかけ、高周波電流を流し、がんを根元から焼き切ります。
  • 内視鏡的粘膜切除術
    平坦な形のがんの場合は、がんのある部位に内視鏡の先から生理食塩水を注入し、がんのある粘膜を膨らませてからワイヤーをかけ、高周波電流を流して焼き切ります。これらの内視鏡的切除術は、大腸内視鏡検査の際に同時に行われるのが一般的です。なお、大腸の粘膜には、痛みを感じる神経がないため、この治療では麻酔をする必要はありません。

腹腔鏡下手術

一般的に、0期のがんでも、大きさや部位などの関係で内視鏡での切除が難しいものや、Ⅰ期のがんに対して行われます。最近では、期や期のがんに行われることもありますが、基本的には早期がんに適した手術法です。腹腔鏡下手術では、全身麻酔をしたうえで、腹部に小さな孔を数か所開けます。そこから、内視鏡の一種である腹腔鏡や手術器具を挿入して、がんを切除します。腹腔鏡で映したおなかの中の映像をモニターで見ながら、手術を進めていきます。
腹腔鏡下手術では、切開部位は最大でも5cm程度なので開腹手術と比べて痛みが少なく、手術の翌日には歩行も可能です。また、腸の動きを止めずに手術をするので、早い段階から食事をとることもできます。回復が早く、手術後の入院期間も5~7日程度と短くてすみます。
手術後に「腸閉塞」が起きにくいというメリットもあります。ただし、腹腔鏡下手術には、ほかの手術とは異なる、特殊な技術が必要になります。そのため、この治療技術をほかの医師に教える指導医の養成が、現在の大きな課題になっています。また、日本ではⅡ期やⅢ期の進行がんで開腹手術と結果を比較する臨床研究が進められています。

術後について(肛門括約筋温存術)

結腸がんの場合、手術後の日常生活に不具合が生じることはほとんどありません。一方、直腸がんでは、今までは肛門を切除して人工肛門をつくる手術が主流だったため、人工肛門のケアなど、手術後の生活に不便が生じることがありました。
しかし現在では、肛門を残して、排便機能を維持する方法も行われています(肛門括約筋温存術)。がんの発生した部位によっては行えませんが、これにより直腸がんの80~90% で肛門が残せるようになっています。また、直腸の周りには、排便・排尿機能、性機つかさど能を司る神経が集まっています。こういった神経を傷つけないようにしながら、直腸がんの手術ができる場合も多くなりました。そのため、直腸がんの手術を受けても、手術前とそう変わらない生活が送れるようにりつつあります。

最後に

「大腸ガンの場合、半数近くが再発」を読むと近年になって急激に増えているガンは、大腸ガンと女性の乳ガンとなっているようです。
動物性脂肪を多く含む食品のとり過ぎや、繊維質の不足といった食生活の欧米化が指摘されています。
脂肪分のとり過ぎが、どうしてガンにつながるのでしょうか。まず、コレステロールや中性脂肪を増やし、高血圧を助長して動脈硬化の原因となり、脳溢血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞の発生率を高めます。そして、ガンを発症させる理由は、解毒作用をアップして肝臓を強化で説明したとおり、大腸で消化されるのは、小腸で吸収されなかった食物繊維がほとんどですが、それを消化するのが腸内細菌の大切な役目です。腸内細菌の数は、およそ100兆個。重量に換算すると1kg~1.4kgもあります。その腸内細菌が、胆汁の主成分である胆汁酸に反応して、胆汁酸を「メチルコラントレン」という発ガン物質に変えてしまうのです。
この一連のガン発症のメカニズムだけがすべてではないかもしれませんが、食の欧米化は日本人のDNAに合わない食習慣であることは間違いないと思われます。
定期的な検査、食習慣、適度な運動、楽しみを持つなどのストレス発散、睡眠が重要だということがいえます。
これらは何もガンに限ったことではなく人間が健康的に長生きするための欠かせない習慣です。

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